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執筆者プロフィール
- CFP認定者
- 1級FP技能士
- 1級DCプランナー
- 住宅ローンアドバイザー
- 確定拠出年金教育協会 研究員
- アクティブ・ブレイン・セミナー マスター講師
- 2021.09.09
- 年金
企業年金をもらい忘れている人が100万人超!?
解散した厚生年金基金の原資などを引き継いでいる企業年金連合会によると、2021年3月末時点で企業年金の未請求者が116.6万人もいるそうです。
65歳以上の人口が3,617万人(2020年9月時点の推計)でしたから、割合としては3%ほどではありますが、せっかくもらえる年金を請求していない人が100万人を超えている事実に、ビックリした人も多いのではないでしょうか。
実は以前、2013年3月末時点の数字を調べたことがあります。そのときの未請求者の数は133万人でしたから、当時と比べれば、多少は減ってきていると言えます。しかし、依然として100万人超の状態が続いているという事実に改めて驚かされました。
未請求者が100万人を超えている大きな要因の一つは、「請求書不達者」が65.1万人もいることでしょう。せっかく企業年金連合会が、受け取れる年金の存在をお知らせしても、その案内自体が届かないわけですから、非常に残念な話です。
そして、残りの51.5万人の「請求保留者」は、お知らせは届いていると思われる(企業年金連合会に封書が戻ってきていない)ものの、年金の請求をしてこない人たちです。
お知らせが来ているのに請求しない人の気持ちは正確にはわかりませんが、おそらく、自分が受け取れる年金がほかにもある事実を全く認識できていない人や、企業年金連合会という聞いたことのない団体から、怪しい勧誘が届いたかのように感じている人が多いのかもしれません。また、すでに亡くなっていて、そのことを企業年金連合会が把握していないケースも考えられます。
やはり、転職や退職、再就職などを繰り返した人は、昔勤めていた会社の企業年金の制度がどんなものだったのかを正しく把握し、記憶している人は少ないのではないかと思われます。
確定拠出年金(DC)であれば、毎年残高のお知らせなどが届きますので、利用していたことを忘れる可能性は低いでしょう。それに対し、厚生年金基金や確定給付企業年金などは、ほぼ完全に会社任せの制度なので、加入していたこと自体を覚えていない人も多いのかもしれません。
私も山一証券時代に厚生年金基金に加入していました。自主廃業後に企業年金連合会からお知らせが届き、勤続5年分の年金(年間約6万円)が受け取れることを知りました。そのときFPの資格は持っていましたが、正直言って、山一証券時代に厚生年金基金にも加入していたという認識はほぼゼロでした。きっと私と同じように加入していた認識もなく、住所が変わってしまっていてお知らせが届かない、結果として未請求者となってしまっている人が多いのだろうと思います。
是非とも、これを機会に、ご家族や親せき、ご友人などにこのような実態をお伝えいただき、転職経験のある人などは、昔の会社の企業年金のもらい忘れがあるかもしれない可能性を教えてあげてください。ダメもとで、企業年金連合会に問い合わせをするのもひとつの方法です。
また、まだ現役で働いている人も、企業年金連合会に前職の企業年金等の有無を確認し、もしあるようなら、引っ越した際の住所変更などの手続きを忘れないようにしましょう。
◆企業年金連合会へ年金記録を確認したい場合
(1)電話による問い合わせ
「企業年金コールセンター」 0570-02-2666(年金相談室)
受付時間:平日(月~金)の9時~17時
※IP電話からは、「電話:03-5777-2666」にお電話ください
(2)フォームによる問い合わせ
https://www.pfa.or.jp/pwap/pub/kakuninservice/index.html
厚生年金基金または確定給付企業年金のある企業を中途で退職された方等の記録を企業年金連合会がお預かりしているか否か、インターネットを利用して受付を行い、メールにて記録の有無を翌営業日に回答いたします。
※利用が集中する場合、3営業日程度の時間を要することがあります。