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確実に宝くじで1等を当てる方法


今年で40周年を迎えたサマージャンボ宝くじ。1等賞金5億円、前後賞あわせて7億円の当せんを夢見て、多くの方が行列に並ぶ光景は恒例となっています。誰しも一度くらいは「当たったら何に使おうかな?」と考えたことはあるでしょう。一方で、冷静になってどのくらいの割合で当たるのか(確率)や、その結果として平均でいくら儲かるのか(期待値)を考えたことはあるでしょうか。

宝くじは1,000万枚単位で構成され、その単位をユニットといいます。今回のサマージャンボ宝くじ(市町村振興 第800回全国自治宝くじ)の場合、1ユニット当たりの当せん金と本数は次の通りです。

1等(5億円)       1本
1等の前後賞(1億円)  2本
1等の組違い賞(10万円) 99本
2等(1,000万円)    2本
3等(100万円)      30本
4等(10万円)     600本
5等(3,000円)     10万本
6等(300円)     100万本

すなわち1等が当せんする確率は1,000万枚当たり1本ですので、0.0000001%、高額当せん金である4等(10万円)でさえ、1,000万枚当たり600本ですから、0.006%です。
参考までに、公益財団法人交通事故総合分析センターによると、2018年の交通事故発生件数は43万0,601件でした。不幸にもこれらの事故によって亡くなった人は3,532人、負傷した人は52万5,846人で、合計すると死傷者数は52万9,378人でした。この数値は、総務省統計局による2019年7月1日現在(概算値)の日本の人口推計値である1億2,622万人の0.42%にあたります。
簡単にいうと、「当たりたい」と想像する宝くじの当せん確率よりも、「遭いたくない」と想像する1年間に交通事故で死傷する確率の方がはるかに高いことがわかります。

このように当せん確率の極めて低い宝くじも、仕組みがわかると気づくことがあります。それは、1等は1ユニット当たり1本入っているので、理論的には1ユニットを丸ごと買えば1等は必ず当たるのです。ただし、1ユニット購入するには、1枚300円の宝くじを1,000万枚買う必要があるため、300円×1,000万枚=30億円の軍資金が必要になるだけ、という話です。

また、期待値を計算するには、当せん金受取総額を軍資金支払総額で割ればよいので、

1等(5億円)×1本+1等の前後賞(1億円)×2本+1等の組違い賞(10万円)×99本+2等(1,000万円)×2本+3等(100万円)×30本+4等(10万円)×600本+5等(3,000円)×10万本+6等(300円)×100万本 / 30億円 ×100(%)≒47.3%

つまり、1,000円分の宝くじを買ったとすると473円しか儲からず、理論的には損をする可能性が高いことがわかります。
更にいうと、宝くじの当せん金に関しては「当せん金付証票法」という法律によって、「当せん金付証票の当せん金品の金額又は価格の総額は、その発売総額の五割に相当する額をこえてはならない」と定められているため、法律上も「買った瞬間にお金が半分になる」ものなのです。

行列に並ぶ前に、いったん冷静になって「確率」や「期待値」を考えてみる。もちろんこれが賢い消費者なのですが、一方で実践してはじめて知識や経験となるものです。「宝くじは買わなければ当たらない」と損を覚悟で、まずは行列に並んで実践してみる。これもまた正しい消費者なのです。

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