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コラムColumn

  • 2019.07.18
  • ライフプラン
  • 中山 浩明

晩婚化時代のマネープラン

日本人の晩婚化が進展しています。男性の生涯未婚率は30年間で約8倍、2010年時点で20%を超え、平均初婚年齢は毎年0.1~0.3歳ずつ上昇を続けています。晩婚の場合、結婚から退職までの期間が短いため、教育費の支払いや住宅ローンの返済が現役のうちにおさまらず、退職後にもこれらの支出が続く危険性があります。もし、これらを退職金で補うとしたら、今度は老後の生活資金が不足するかもしれません。こうした不安に対し、どのような対策が有効なのか考察をしてみます。

(1)自己資金を準備し、住宅ローンの借入額を減らす
結婚時に蓄えがあればそれを住宅取得に充て、住宅ローンの借入額を減らします。
例えば40歳でマイホームを購入するため、銀行から3,000万円の住宅ローンを借り入れたとします。融資金利1.41%(※1)、元利均等・20年返済(60歳完済予定)で計算すると、月返済額は143,525円です。「毎月14万円の返済は続けられないかもしれない」と不安になり、返済期間を30年返済(70歳完済予定)に延ばすと月返済額は102,245円となります。月返済額が41,280円減ったので返済が楽になったように見えますが、退職後もローン返済が10年続くわけですし、返済期間を10年延ばしたことにより総利息額は約236万円増えてしまいます。
一方、40歳の時点で1,000万円の蓄えがあればどうでしょうか。40歳で結婚するわけですから、単身のうちに蓄えをしておけば、夫婦合わせて1,000万円の預貯金があるというのもさほど珍しいケースではありません。
1,000万円の自己資金を準備できると、借入額を1,000万円減らせますから2,000万円の借入額で済みます。融資金利1.41%(※1)、元利均等・20年返済(60歳完済予定)で計算をすると月返済額は95,683円となります。これなら毎月の負担を抑えつつ、退職までにローンを完済できます。さらに借入額3,000万円のケースより総利息額を約149万円減らすことができます。
ご覧のとおり、借入額を減らすことには大きな効果がありますが、そのためには単身のうちにしっかり貯蓄をしておく必要があることは忘れないでください。

(2)60歳以降も働く
では、結婚時に十分な蓄えがなかった場合はどうすればよいでしょうか。次に「収入を増やす」ことを考えてみます。「収入を増やす」といっても「現在の年収を増やす」ということではなく、「できる限り長く働くことで生涯収入を増やす」ということです。つまり「退職後も一定の収入を確保する」という単純な方法ではありますが、最も確実でかつ効果の高い方法の1つです。
仮に退職後も働いて世帯年収200万円を確保できたとします。世帯年収200万円というのは夫婦それぞれが100万円ずつ、毎月約8.3万円稼げばよいわけですから、達成不可能ではなさそうです。この世帯年収200万円を60歳から65歳まで5年間確保できれば、世帯収入は1,000万円増えます。さらに70歳まで同じ年収を確保できれば世帯収入は2,000万円も増えます。お金まわりのあらゆるテクニックを駆使したとしても、1,000万円や2,000万円もの金額を確実に調達できる方法は他にはないでしょう。
なお、子どもを一人、大学に進学させるためには、国公立で462万円、私立理系で745万円ほどかかります(※3)ので、世帯年収200万円を5年間確保することで、子ども一人分の大学資金くらいは捻出できるという計算です。

ちなみに、65歳以降は老齢基礎年金や老齢厚生年金が受給できます。「働きながら老齢厚生年金を受け取ると年金額が減額されるので働かないほうがよいのでは?」と心配する方もいますが、この点は心配無用です。65歳以降に一定以上の収入を得た場合、老齢厚生年金が減額されるケースはありますが、自分が働いて得た収入以上に年金額が減額されることはなく、世帯年収は確実に増える仕組みになっています。

このように考えてみると、晩婚の場合でも、(1)単身のうちにしっかりと貯蓄をし、住宅ローンの借入額を減らす、(2)退職年齢を65歳や70歳と設定し、できるだけ長く働き生涯収入を増やす、この2つを実践するだけでも住宅資金や教育資金を乗り越えることができると考えられます。

※1 東京都内のフラット35(手数料定額型)の平均金利(2019年7月1日時点)
※2 東京都内のフラット20(手数料定額型)の平均金利(2019年7月1日時点)
※3 日本政策金融公庫「家計における教育費負担の実態調査(平成26年度)」より

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