FPI-J 生活経済研究所長野

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コラムColumn

  • 2019.02.21
  • ライフプラン
  • 市川 貴博

太陽光発電2019年問題について考える

2009年11月1日に太陽光や風力などの再生可能エネルギーで作られた電力を、電力会社が一定期間(住宅用などで10kW未満の場合は10年間)、固定価格で買い取ることを義務付ける制度(固定価格買取制度、略称をFIT(※1)という)が実施されました。

制度開始から10年が経過する2019年11月以降順次、買い取り期間が満了を迎えるため、住宅業界では2019年問題と呼ばれています。

2009年11月1日~2012年7月1日に何が起こったか
それまでにも太陽光発電による電力の売電は可能でしたが、売電価格は電力量料金と同額で、電気を使用した時の電力量料金が1kWhあたり24円であれば売電価格も1kWhあたり24円となります。当時は太陽光発電パネルも高額で、設置費用を回収するのに20年以上もかかってしまうため、2009年11月1日~2012年7月1日に太陽光発電設備を設置し売電を開始した場合、10年間は1kWhあたり48円という高額で電力会社が買い取る約束をして、再生可能エネルギー普及の促進を図りました。

原則として、発電した電力は全量が売電対象になりますが、住宅の屋根に載せるような10kW未満の太陽光発電は、自分で消費した後の余剰分が売電対象となります。また10kW以上の太陽光発電では、固定価格による買い取り期間が20年になることから、建物の屋根面積を増やしたり、車庫や物置を作りその屋根の上にも発電パネルを載せたりして10kW以上の発電が可能な住宅を販売している会社もありました。全国各地にメガソーラーなどの大規模な太陽光発電施設ができたのもこの制度がきっかけです。

2019年11月以降はどうなる?
まだ正式には何も決まっておらず、経済産業省資源エネルギー庁のHPによると今後は、(1)自家消費、(2)相対・自由契約の選択になるといわれています。

(1)自家消費
発電した電力をそのまま使うだけでなく、蓄電池等を設置し余剰電力を一時的にストックしておき、発電ができない夜間などに使用することで電力会社から購入する電力量を抑える方法が一般的です。また蓄電池の代わりに電気自動車を利用するケースも増えています。通勤などで自動車を使用せず平日は自宅に止めたままという場合には、蓄電池の容量が家庭用のものより大きく、専用設備により充電にかかる時間も短い電気自動車のほうが効果的です。また災害時の非常用電力としても注目されています。

(2)相対・自由契約
10年が経過すると法律に基づく電力会社の買い取り義務はなくなりますが、自由に契約して売電することは可能です。2019年2月1日現在、東京電力など一般電気事業者各社は揃ってFIT終了後も買い取りを表明しています。買い取り価格は2019年4月以降に公表されるようですが、1kWhあたり10~11円ともいわれており大幅な減額が予想されます。また、その他の事業者も買い取りを表明しているところもあり、買い取り価格の比較も必要です。

今後の太陽光発電
FITで1kWhあたり48円の売電が可能だった10年前は、環境や省エネというより売電収入により「いくら儲かるか」が注目されていました。しかし、現在は売電価格も24円程度まで下がっており11年目以降の売電価格はさらに下落することから、住宅業者やソーラー事業者も太陽光発電導入の意義を「使用するエネルギーの削減」にシフトし、日中の発電による余剰電力を蓄電し夜間の電力を賄うことを推奨しています。これからが本当の意味での、省エネルギー化や環境配慮のための太陽光発電なのかもしれません。

太陽光発電システムの選び方
太陽光発電パネルの設置にはパネル本体、架台、パワーコンディショナー、設置工事費など初期費用がかかります。今は国からの補助金は無いものの初期費用も大きく下がり、最近の傾向では1kWあたり20万円程度から28万円程度と10年前に比べても半値以下です。しかし初期費用の安さだけで判断せず、各社とも発電効率が違うため初期費用の回収期間も重要な比較のポイントです。設置条件にもよりますが、最近ではおよそ6年から9年ほどで回収できそうです。

なお、既存住宅に設置する場合は、パネル重量による建物の耐震性に対する影響や、屋根に設置する場合は雨漏りなどのトラブルが無いよう信頼できる施工店を探すことが大切です。

※1 Feed-in Tariff Program

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