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コラムColumn

  • 2020.11.26
  • 税金
  • 市川 貴博

確定申告と源泉徴収と年末調整

年末が近づくと勤務先から年末調整のための用紙(※1)を渡されて、期限内に提出するよう促されます。これを元に作成された源泉徴収票が、12月の給与明細と共に渡されるのが一般的です。毎年恒例になっているこの手続きは一体何のための手続きなのか、言葉の意味や手続きの目的を、確定申告の必要が無い給与所得者であるからこそ、きちんと理解しておきましょう。

 

原則は申告納税(確定申告)
確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とそれに対する所得税の額を自ら計算して、申告期限までに書類(確定申告書)にして提出(申告)し、納めるべき所得税額を自ら納付(納税)することをいいます。

 

所得税額の計算は、1年間の収入から必要経費としてみなされている給与所得控除を差し引いた所得を計算し、そこからさらに各種の所得控除を差し引いて確定した課税所得に税率を掛けて算出します。

 

税率は課税所得の額により異なります。課税所得が195万円までは5%ですが、それを超えて330万円までは10%、それを超えて695万円までは20%というように、課税所得が高くなればなるほど税率も高くなります。これを超過累進税率といい、所得税の最高税率は45%で、課税所得が高い人ほど多くの所得税を支払う仕組みです。

 

源泉徴収とは
会社員、公務員、団体職員などの給与所得者は、所得税、住民税、社会保険料などがあらかじめ給与や賞与から天引きされ、給与支払者が本人に代わり国や自治体に納めていて、これを源泉徴収といいます。しかし、本来は1年間の課税所得が確定しないと、超過累進税率である税率も所得税額も確定しません。つまり、源泉徴収されている所得税額は、毎月の給与や賞与の金額を元に引かれているため概算であり正確な金額ではありません。

 

年末調整とは
そこで、年末に1年間の確定した収入に対して、支払った社会保険料や、1年間の所得控除を計算し、正しい課税所得と納税すべき所得税額を算出します。年末調整のための用紙には家族構成や配偶者の所得、生命保険料や地震保険料などを記入しますが、これは1年間の所得控除の額を確定させるためのものだったのです。

 

そして、概算で引かれていた所得税額との差額を調整し、結果として所得税を払い過ぎていた場合はお金が戻ってきます。これを年末調整といいます。これにより正しい所得税の納税が完了するため、基本的には確定申告が不要になります。

 

確定申告が必要なケース
2ヶ所以上から給与を得ている場合や、一部の所得控除も確定申告が必要です。(1)医療費控除、(2)寄付金控除、(3)雑損控除は年末調整できないので、対象になる方は確定申告をしましょう。ふるさと納税は(2)寄付金控除に該当しますが、ワンストップ特例を利用しない場合は確定申告が必要です。

 

住民税は翌年に納税
住民税は一般的な給与所得者の場合、前年の課税所得に対して翌年の給与から支払われます。つまり、既に確定した前年の課税所得に対して、決定した住民税を分割払いしています。

 

この住民税の額がいくらになるのかを決定したことを伝える書類が、住民税決定通知書で、6月頃の給与明細と併せて配布されます。そこには住民税の額が記載されていますが、所得税の税率が5%~45%の超過累進税率であるのに対して、住民税の所得割額は一律に10%ですから、所得税より住民税のほうが遥かに高いという人がいてもおかしくありません。

 

給与所得者の年末調整とは、いわば簡易的な確定申告のようなものですから、正しい資料と情報を期限までに提出する必要があります。別の表現をすれば、年末調整さえすれば面倒な確定申告が不要になるのですから、本来はこんなに楽なことは無いということも覚えておくと良いでしょう。

 

※1 基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書確定申告と源泉徴収と年末調整

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