FPI-J 生活経済研究所長野

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コラムColumn

  • 2020.12.03
  • 相続
  • 山田 静江

特別養子制度に関する民法等の改正

特別養子制度とは、家庭に恵まれない子に温かい家庭を提供して、その健全な養育を図ることを目的として創設された、子どもの利益を図るための制度です(法務省HPより)。保護者がいない、保護者が育てられない、保護者から虐待を受けているなどにより児童養護施設等に入所している子を、特別養子制度により家庭において養育することができるよう、特別養子縁組の成立要件を緩和することで制度を利用しやすいものとするため、民法および関連法が改正されました。今年(2020年)4月1日から施行されています。
おもな改正点は、(1)養子となる者の年齢の上限を原則6歳未満から原則15歳未満に引き上げ、(2)特別養子縁組の成立の手続きを2段階に分けて養親となる者の負担を軽減する、などです。
虐待や育児放棄で保護される子が6歳未満とは限らないこと、外国では15歳未満の子に対して特別養子縁組を認めるケースが少なくないことなどから、今回の改正が行われました。

 

特別養子とは
養子には、「普通養子」と「特別養子」があります。
普通養子縁組が養親と養子の合意のもと、届出をすれば成立するのに対し、特別養子縁組は、特別な事情があり、子の利益のために必要と認められる場合に、家庭裁判所によって成立させる縁組です。
普通養子の場合は実の親やその血族との関係は変わりません。これに対して、特別養子になると、実の親およびその血族との関係はなくなります。ただし、夫婦の相手方の連れ子を特別養子とする場合は、その相手方および相手方の血族との親族関係は終了しません。たとえば妻の連れ子を夫が特別養子としても、実親である妻や妻の血族との関係は残るということです。

 

特別養子縁組の成立要件
特別養子は、実親との親子関係が消滅するなど、養子にとって大きな影響があります。そのため、次の要件を満たした上で、子の利益のために特に必要と家庭裁判所に認められた場合に成立します。つまり、家庭裁判所の審判が必要です。また縁組後の離縁は原則として認められません。
(1)実親の同意
養子となる子の実の親(実父母)の同意が必要です。ただし、実親が意思を表示できない場合や実親による虐待などがあった場合には、実親の同意が不要となることがあります。
(2)養親の年齢
養親となるには、養親となる夫婦で縁組をします。また養親は25歳以上(夫婦の一方が25歳以上であれば、もう一方は20歳以上)という条件があります。
(3)養子の年齢
養親が家庭裁判所に「審判を請求するとき」に、養子は15歳未満が条件となりました。ただし、養子となる子が15歳未満であるときから養親に監護されていた場合には、子が18歳未満であれば審判を請求できます。また養子となる子が15歳以上の場合には、子本人の同意が必要です。

 

特別養子縁組の手続き
第一段階として、養親候補者または児童相談所長の申し立てにより、審判手続きが実施されます(実親による養育状況や実親の同意の有無を判断)。第一段階の審判が確定した後に、第二段階として、養親と養子との間で、6ヶ月間の試験養育が行われます。試験養育の結果が良好であれば、特別養子縁組が成立します。
改正前は、実親の養育状況がどう判断されるか、また実親の同意が得られるかどうかわからないままで試験養育をしなければならず、養親の負担が大きいことが問題とされていました。改正により養親の負担は大きく軽減されることとなりました。

 

今回の改正により、特別養子制度が親の育児放棄や虐待により苦しむ子を救う手段として活用されるようになることを願います。

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