FPI-J 生活経済研究所長野

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コラムColumn

  • 2020.01.02
  • 生命保険
  • 田中 美子

不払い事件を繰り返さないために

かつて、生命保険会社は定期付終身保険を主力商品として、予定利率が高い時代に加入した貯蓄性の高い保険を、転換(下取り)制度を利用して、それまでに貯まった責任準備金(解約金とほぼ近い計算方法で金額もほぼ同じ)を使い、掛け捨ての定期保険部分に頭金として投入し、10年更新型の定期保険特約付終身に変更していました。その保険には、三大疾病になったら一時金を払う特約、所定の介護になったら年金を払うなど、〇〇になったら…という特約が、まるで車のオプションのようなイメージでつけることができました。

その後、医療特約や医療保険においては、特に退院後通院の不払い事件が発生しました。お客様は入院したら請求をしてくれますが、退院後の通院に関しては、請求漏れ、請求忘れが多発し、金融庁から指導されました。現場では、日々通院給付漏れのお客様対応をしていましたが、対応したお客様に聞いてみたら、退院後の通院は頻繁ではないこと、退院後120日以内の通院は数回しかないこと、金額も大きくないので、面倒くさいという理由から、請求しなかったというお声を多く聞きました。しかし、お客様には給付金を受け取る権利があり、保険会社には支払う義務があります。金融庁から「お客様から請求がないと支払わないのか!」というお叱りをうけ、通院特約のついているお客様から入院給付金の請求があった場合、その後は保険会社の方から、退院後通院をしていないか、通院していたら給付金のご請求をしていただくようリードするのが、保険会社としての正しいありかたではないか、ということです。当たり前の事が行われていなかったのです。

このように、過去に医療特約や医療保険の特約で、特に通院に関してはこのような不払い事件があったことから、保険会社は、だんだんと通院給付金特約をはずすようになったのです。入院と手術、特約は先進医療のみという、わかりやすくてシンプルな医療特約、医療保険になりました。ところが最近、また通院特約ブームが始まっています。あえて外していた通院特約が復活し、更には、そのほかたくさんの特約が付くようになりました。正直また不払い事件にならないか、少し心配しています。今ではコールセンターがしっかりアナウンスや対応をしてくれるようになっているので、恐らく過去のようなことはないかと思いますが、入院請求をされたお客様とどのようにコミュニケーションを取るかが大事だと思います。郵便で手紙を送って通院給付の請求を訴求しても、お客様が手紙を見ていなかったら伝わらないし、電話でお知らせするのか、しかしお仕事されていたら電話を掛ける時間帯にも注意を払わないといけません。契約をした時の担当の方がしっかり面倒をみてくれるなら安心かと思います。今までに入院されたお客様を思い出してみると、退院後通院、しかも120日以内(最近では180日以内の保険会社もあり)に通院された方は、ほとんどが多くて5回位まででしょうか。病気の内容やどのようなケガだったかにもよりますが。

しかしながら、最近では、がんでの通院治療が多くなり、また入院を伴わない場合もあります。私は個人的には、がんの場合の保障は、診断給付金として100万円などのように、まとまった給付金が出れば、通院分をカバーができると考えますし、最近では、がん治療給付金として治療を目的として通院した月に月額給付金として支払うという保険会社もあります。

折角安くなった保険が、特約をたくさんつけていくごとに保険料が上がってきます。保険会社にしても特約が売りなのだと想定します。是非自分に問いかけてみてください。その特約必要か。そしていざという時に請求漏れがないように、しっかり保障の内容を覚えておくことも、消費者としては大事なことです。私は歴史が繰り返されることがないことを祈るばかりです。

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