FPI-J 生活経済研究所長野

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コラムColumn

  • 2019.12.19
  • ライフプラン
  • 竹川 美奈子

資産形成の第一歩は家計の「見える化」

長寿化がすすむ現代では、「稼ぎ力のあるうちはお給料の一部を貯蓄や投資に振り向けていき、リタイアまでにしっかり金融資産を積み上げる。そしてできるだけ長く働いて、リタイア後は積み上げてきた金融資産を引き出していく」という長期的な視点を持つことが大事です。
ただし、そのときに一般的な数値やモデルケースを参考にしてもあまり意味はありません。統計上の数値はあくまでも参考値です。ですから、2019年の6月に話題になった「老後に2000万円不足する」といった話題も多くの人には当てはまりません。
あなたの家庭と、お隣の家庭では収入や支出、資産や負債がまったく違います。仮に同じ会社に勤めて同じようなお給料をもらっていても、それぞれのご家庭の事情はさまざま。リタイアまでに必要な金額も、もちろん異なります。大事なのは「自分は」あるいは「我が家は」という視点を持つことです。

損益計算書とバランスシートをつくる
「自分ごと」として、お金と向き合っていくうえで必要なのは「家計の見える化」です。家計の収支や、資産・負債を把握するために、年に1回、決算をだすことをおすすめします。
具体的には、会社が決算のときに使う「損益計算書(Profit & Loss statement)、略してP/L」や「貸借対照表(Balance Sheet=バランスシート、略してB/S)の「個人版」を作ることをご提案しています。これからは個人も会社と同じように、毎年きちんと収入(=売上)を得て、ムダなコストを削減し、そして、手元に残ったお金(=利益)を貯蓄や投資(自己投資を含む)に回していくという視点を持つことが大事だからです。
まずは「損益計算書」をつくります。1年間の収入がどれくらいあって、どのくらい税金(所得税や住民税)や社会保険料(厚生年金保険、健康保険、40歳以上は介護保険、雇用保険、労災保険)を払い、残ったお金(手取り収入)のうちいくら支出をして、その結果、「利益」がでているかどうかがざっくりわかれば十分です。

次に、「バランスシート」です。バランスシートというのは、企業がある時点において保有する資産と負債、そしてその差額(純資産といいます)を一覧表示した報告書のことです。個人の場合も基本は同じで、ある時点で「どれくらいの資産を持っているか」「負債がどれくらいあるか」を時価で書き出すとともに、資産から負債を差し引いた「純資産(=正味財産)」がどの程度なのかを把握するのに役立ちます。
資産については「金融資産」と「固定資産」、負債については「短期負債」「長期負債」を調べると作成することができます。資産と負債の両方がかけたら、資産と負債をそれぞれ合計し、資産から負債を差し引いた金額が「純資産(正味財産)」になります。

損益計算書やバランスシートを作成して家計の財務状況を把握することは「いま我が家では何を優先したらいいか」を決定するときの大きなヒントになります。
リタイアまでに資産から負債を差し引いた「純資産(正味財産)」を育てるという視点を持ちましょう。60歳までにバランスシート上の「負債をゼロにする」ことを心がけます。退職後に教育費がかかる、あるいは退職時に住宅ローンが残る場合には早めの準備が必要です。
バランスシートは、毎年最低でも1回は作成し、定期的に「定点観測」をしましょう。そうすることで、金融資産がきちんと積み上がっているか、負債が圧縮しているかを確認できます。自分でエクセルなどに入力して作成してもよいですし、「マネーフォワード」などのアプリを利用すれば簡単にバランスシートを作ることもできます。

最後に、退職に向けた資産形成といっても、不確定要素はたくさんあります。
たとえば、公的年金は働く期間や将来のお給料によって受け取れる金額が変わります。勤務先の退職給付制度も将来的に変わるかもしれません。インフレや消費税率の引き上げなどなど、不確定要素は数え上げればきりがありません。しかし、だからといって「考えてもムダ」とか「何もしない」という具合に思考を停止してしまっては何の解決にもなりません。現状をしっかりと調べた上で、今できることを行うこと。かりに働き方やライフスタイルが変わったら、それに応じて柔軟に修正していけばいいのです。大切なのは、将来に向けて、自分のお金をマネジメントしていくという意識です。
勤務先から「源泉徴収票」を受け取る12月や1月に、ご家庭の決算を出してみてはいかがでしょうか。

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