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金利上昇開始!?今後の住宅取得における住宅ローン戦略


上がり始めた金利:住宅ローン環境は確実に変わった
これまで長く続いてきた超低金利時代は転機を迎え、2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除して以来、金融市場は一気に動き始めました。2025年1月時点の政策金利は1年足らずで3回の利上げを実施した結果0.5%まで上昇しています。ここでいう政策金利とは無担保コール翌日物金利の誘導目標であり、これに短期プライムレートが大きく影響されるため、短期プライムレートに連動する変動金利の住宅ローン金利も上昇しています。

一方、右肩上がりに2%を超えるかと思われた固定金利の代表格である【フラット35】の金利は、いわゆる「トランプ関税」の影響もあり、2025年5月の最低金利が1.82%と、1%台の土俵際で踏ん張っている状況です。

金利の種類と特徴を正しく理解する
住宅ローンには主に「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。固定金利は返済期間中の金利が確定しているため、将来のライフプランが読みやすいのが特長です。一方、一般的な変動金利は半年ごとに金利が見直されるため、短期的には低金利のメリットがありながら金利上昇局面においては将来的な金利上昇リスクを伴います。

1992年以降、長らく金利は下降および横ばいの局面が続き、住宅ローンも金利上昇を想定しない返済計画を立てる方も多く見られましたが、これからの時代は変動金利の住宅ローンを借りた(または既に借りている)場合、将来の家計に与える影響を含め、金利の動きに対する慎重な見方や検討が必要です。

金利が1%上がると返済額はどれだけ増える?
仮に4,000万円を返済期間35年、元利均等返済で借りた場合、以下の条件で毎月の返済金額や支払う総利息額を試算すると次のような結果になります。

◆変動金利
【試算条件】
● 金融機関による金利優遇後の金利を0.475%
● 5年ごとに1%ずつ金利が上昇する
● 16年目以降は金利が変わらない設定

【月々の返済金額】
1~5年目 103,392円
6~10年 119,288円
11年目以降 133,825円

◆固定金利
【試算条件】
●【フラット35】を利用し、建物によるポイントと子育てプラスによるポイントで4ポイント獲得(当初5年間1%の金利引き下げ)
● 金利は2025年5月の最低金利1.82%を採用

【月々の返済金額】
1~5年目 109,589円
6年目以降 126,108円

変動金利の当初返済金額(月額)は103,392円ですが、5年経過後に金利が1%上昇すると月々の返済額は約1.6万円増えます。さらに5年経過後に1%金利が上昇すると返済開始時からは約3.0万円も返済額が上昇し、金融機関に支払う総利息額はおよそ1,351万円となり、固定金利【フラット35】の総利息額である約1,197万円を上回ります。

変動金利はどこまで上がるのか?
日銀の植田和男総裁は、2025年1月24日の金融政策決定会合後の記者会見で今後の金利について「従来の利上げの効果を確かめつつ段階的に動いていくのが適切な対応」と指摘し、緩和的でも引き締め的でもない名目中立金利を「1.0~2.5%に分布している」と分析したうえで、「0.5%への利上げ後も、まだ相応の距離がある」との認識も示しています。

つまり、日銀は政策金利である無担保コール翌日物金利は今後2.5%程度までの上昇を許容しており、少なくとも現在の0.5%から2%程度の金利上昇が予想されます。これにより変動金利の住宅ローン金利も2%程度の金利上昇を見込んでおく必要があり、前述のシミュレーションも2%の金利上昇を設定しました。

将来の金利上昇を前提とした住宅購入戦略を
これから住宅を取得しようとする方にとっては「金利が今より上がることを前提とした準備」が重要です。周囲の意見や「金利が低く見えるから」といった理由で決めるのではなく、家計の安定性や将来の収支見通しをふまえて選択しましょう。

また、返済計画は余裕を持って設計するのも大切です。変動金利を借りるのであれば、将来に金利が2〜3%上昇しても家計が破綻しない水準で計画しましょう。あらかじめ月数万円分の余力を残すことで急な変化にも対応できますし、そのゆとり分を貯めておき、定期的な繰り上げ返済などで返済期間を短くするなど、金利が上がった場合の出口戦略を用意しておくのも有効です。

家づくりは金利を味方にできる人が強い
住宅取得は人生で最も大きな買い物のひとつです。そして住宅ローンは、その家に住み続けるための長期的なパートナーになります。金利の変化は見えづらい未来かもしれませんが、今まさに現実として動き始めている以上、しっかりと備えておくことが安心につながります。

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