コラムColumn
執筆者プロフィール
- ファイナンシャル・ジャーナリスト
- LIFE MAP,LLC代表
- 2025.05.29
- 投資
ジュニアNISA廃止後、子どもはどこで投資すればよいの?
セミナーなどで、「各種手当やお年玉などの一部を、子ども名義の口座で投資したいのですが」といったご質問を頂戴することがあります。2024年からスタートした新NISA(少額投資非課税制度)は、日本に住む18歳以上の人が対象で、未成年者は利用できません。また、ジュニアNISAも2023年末で廃止され、2024年以降は新規投資ができなくなりました。
では、どうしたらよいでしょうか。いくつか選択肢があります。
ひとつ目は新NISAでは年間投資枠がふえたため、親御さんがNISA口座で積み立て投資の金額をふやし、その一部教育費に使うという方法です(ただし、あくまでも投資ですから、数年後に必要なお金には向きません。10年・15年先を見据えた投資であることが前提です)。
一方、お子さん名義の口座で投資する場合、
〇ジュニアNISA口座を開設していた場合には運用を継続する
〇これから投資する分は、未成年口座(課税口座)を開設して活用する
ということになるでしょう。
ジュニアNISAの活用と注意点
2023年までにジュニアNISA口座で投資した金融商品については、そのまま成人になるまで非課税で運用し続けることもできます。すぐに使う必要がない場合にはそのまま成人になるまで非課税で運用し続けるとよいでしょう。
成人すると、新NISA口座が自動的に開設されますが、ジュニアNISA口座で運用してきた商品を移管することはできません。成人の課税口座(特定口座)に移管するか、売却する。あるいは売却した資金で新しいNISAで新たに商品を買い付ける、といった方法を選ぶことになります。
必要があれば、保有する上場株式や投資信託などを非課税で払い出すこともできます。ただし、引き出す場合は、ジュニアNISA口座で保有している商品をすべて払い出し、口座を廃止する必要があります。一部の金融商品だけを売却して引き出したり、その都度株式の配当を受け取ったりすることはできません。例えば、配当金などは従来どおり、(ジュニアNISA口座内の)課税ジュニアNISA口座に入り、口座を廃止するまで引き出すことはできません。
注意点としては、ジュニアNISAは成人向けの新NISAと異なり、海外出国時の5年非課税の適用対象外です(※)。そのため、海外留学や親の転勤などで非居住者となると、ジュニアNISA口座内で保有する商品は、一般口座(課税口座)へ払い出されてしまうこと。特定口座を開設している場合には、出国前または帰国時に一定の手続きを行うことで、帰国時に特定口座に組み入れることができます。留学などで非居住者となる場合にはジュニアNISA口座を廃止し、引き出しておくといったことも含めて検討しましょう。
※成人向けのNISA2019年4月から海外転勤などにより一時的に出国する場合、金融機関に「継続適用届出書」を提出すると最長5年までNISA口座で商品保有が可能となっている(対応は金融機関により異なる)。
未成年口座を開設・活用する
対応している金融機関で、お子さん名義の未成年口座を開設し、各種手当やお年玉、お祝いなどを運用していくという方法もあります。
私は個人投資家さんの取材をしていますが、効率的にインデックスファンドの積み立てを行っている人もいれば、受益者(投信保有者)との対話を重視する投資信託を保有する人もいました。後者の場合、お子さんが参加できるセミナー・イベントを実施する運用会社・投資信託を一部保有することで、お子さんの気づきや体験につなげる、という目的もあるようです。
例えば、Aさんはお子さんの口座(未成年口座)で先進国株式、新興国株式、日本株式に投資するインデックスファンドを6:3:1の割合で積み立てています。1本で全世界株式に投資するインデックスファンドもありますが、「子どもたちが理解できるようになったら、それぞれの資産クラスで値動きが違うことを伝えるのによいと思ったので」といいます。
Bさんは、お子さんの口座で全世界株式のインデックスファンドを積み立てていますが(全体の80%)、一部日本株と米国株に投資するアクティブファンドを組み合わせています。「投資信託は個別企業の株が投資対象になっていて、自分のお金が(投資信託を通して)そうした企業に投資されて、お金・社会が回っていくんだよ、ということを意識してもらいたいと思い、それでアクティブファンドも少し入れています」と。
未成年口座で長期的にふやすという意味もありますが、こうしたケースをみていくと、お子さんにどう感じてほしいのかという視点も入っていて、正解はひとつではないと改めて感じます。