コラムColumn
執筆者プロフィール
- CFP ファイナンシャル・プランナー
- 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
- TLC(トータルライフコンサルタント)副称号:生命保険協会認定FP
- 損害保険上級資格
- DCプランナー2級
- キャリアコンサルタント
- 2024.05.16
- ライフプラン
【フラット35】子育てプラスの魅力
【フラット35】は、最長35年の全固定金利(融資実行時の金利)で財形住宅融資との併用も可能です。また保証料・連帯保証人ともに不要で、繰上返済手数料は無料であることも特徴です。毎月の返済額は決まっているため、中長期的な家計管理がしやすいところにメリットがあります。利用時の注意点として、商品内容は各金融機関でも同一ですが、適用金利と融資基準は金融機関によって異なる点、また借入対象となる住宅は、住宅支援機構が定める技術基準に適合していることが求められ適合証明書の交付が必要となり、適合した住宅であるかどうかの確認が必要です。
本年2月13日より、国の少子化対策の一環として、子供の人数等に応じて一定期間金利を引き下げる【フラット35】子育てプラスが登場しました。詳細をみていきましょう。
■子育て世帯の利用要件
借入申込時に子供(実子、養子、継子および孫をいい、胎児を含みます。ただし、孫の場合は同居が必要で、別居している子供の場合は、親権を有していることが必要。)を有しており、当該子供の年齢が借入申込年度の4月1日において、18歳未満である世帯であること。(*資金実行時までに上記条件を満たせばよい。)
居住区分としては、自ら居住する住宅、セカンドハウス、親族が居住する住宅(*親族が居住する場合は、融資対象住宅に入居する方が子供を有する場合に該当し、かつ、連帯債務者となる場合のみ。)
■若年夫婦世帯の利用要件
借入申込時に夫婦(法律婚、同性パートナーおよび事実婚の関係をいいます。なお、婚約状態の方は対象外。)であり、夫婦のいずれかが借入申込年度の4月1日において、40歳未満である世帯であること。(*資金実行時までに上記条件を満たせばよい。)
居住区分は子育て世帯と同となります。
■子育てプラスの優位性
【フラット35】は住宅性能などの評価で質の良い住宅への固定金利融資をするものですが、【フラット35】子育てプラスでは住宅の性能等のポイントだけでなく、子供の人数に応じてもポイントがつき、合計ポイントに応じて金利が下がる仕組みです。1ポイントで5年間、年0.25%金利が引き下げられ、子供の数や住宅性能の基準を満たすことで合計ポイントが上がれば、5年間で4ポイントずつ(金利引下げ1%分)充当することができます。
例)
①若年夫婦世帯または子供1人の場合(1ポイント)
金利引下げ期間・・・当初5年間
金利引下げ幅・・・年▲0.25%
➁子供2人の場合(2ポイント)
金利引下げ期間・・・当初5年間
金利引下げ幅・・・年▲0.5%
新規申込時のみに使える制度なので、申込時の今の子供の人数でのカウントになります。【フラット35】子育てプラスは、借換融資には利用できません。
住宅は人生で最も高い買い物です。働き方や収入、ライフイベントの確認をし、ライフプランの作成や資金計画など様々な事を考えるとともに、取得の際には諸費用の他、税金等もあります。住宅ローンは【フラット35】のように全期間固定金利の他、固定期間選択型(固定2年、3年、5年など)、金利の低い変動金利型もあります。今後金利上昇が予想されている中、どの住宅ローンを選ぶかによって、将来のライフプランに大きな影響を及ぼしかねません。
「借り入れできるローン」ではなく、「返せるローン」であることがとても重要です。住宅ローンの検討時には返済パターンをいくつか試算してもらって安心して返済できるローン選びが大切です。
【フラット35】HP
https://www.flat35.com/index.html
参考:2024年4月30日の住宅金融支援機構発表のプレスリリースより
【フラット35】子育てプラスは、2024年2月13日の制度開始から、3月末までの申請戸数は 2,564 件となり、同期間の【フラット35】全体の申請戸数5,854件のうち、43.8%の申請となった。【フラット35】子育てプラス開始後の3月の申請戸数(3,931戸)は、2023年10月~12月(2023 年度第3四半期)の月平均申請戸数(2,983 戸)と比較すると131.8%となり増加に転じた。