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執筆者プロフィール
- CFP認定者
- 1級FP技能士
- 1級DCプランナー
- 住宅ローンアドバイザー
- 確定拠出年金教育協会 研究員
- アクティブ・ブレイン・セミナー マスター講師
- 2023.11.02
- 投資
新NISAで買うならコレ!プロがオススメする商品
今年は、新NISAについて取材を受ける機会が非常に増えました。2024年から大幅拡充されるNISAについての特集が、あちこちの新聞や雑誌で組まれているからだと思います。
内容としては、「そもそもNISAとは」といった制度の基本から、「NISAでどんな商品を買うべきか」といった実践編的なものまで、さまざまです。特に最近では、新NISAのスタートが近づいてきたからか、「NISAで買うオススメ商品」を聞かれる機会が増えてきたように感じます。確かに、多くの一般の人にとって重要なのは、「どの商品を買えばいいのか」だからでしょう。
元証券マンで独立系FP歴25年の筆者としては、長年「金融商品を自分で選べるようになる判断基準を多くの人に身につけてもらいたい」と思っていましたが、現実としては判断基準よりもオススメ商品そのものを知りたい人のほうが多いようです。美味しい魚を見分ける判断基準を知りたい人よりも、プロがオススメする美味しい魚を知りたい人のほうが多いのと同じかもしれません。
ではここで、筆者の独断と偏見で、NISAで買うオススメ商品を5本挙げたいと思います。
ただし、くれぐれも誤解しないでください。ここで挙げた商品が一番有利とか、一番収益が大きくなるといった保証は一切ありません。投資は自己責任です。必ず自分で選ぶようにしてください。
1.eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
運用会社:三菱UFJアセットマネジメント
全世界(オール・カントリー)の株式に幅広く分散投資ができる。
つみたてNISA対象ファンドのうち純資産残高が2番目に多い。
運用管理費用(信託報酬)年率0.05775%(税込)。
2.eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
運用会社:三菱UFJアセットマネジメント
アメリカの厳選500銘柄の株式に分散投資ができる。
つみたてNISA対象ファンドのうち純資産残高が最も多い。
運用管理費用(信託報酬)年率0.09372%(税込)。
3.たわらノーロード日経225
運用会社:アセットマネジメントOne
日本の主要225銘柄の株式に分散投資ができる。
つみたてNISA対象ファンドの日経平均連動タイプでコストが低め。
運用管理費用(信託報酬)年率0.143%(税込)。
4.eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
運用会社:三菱UFJアセットマネジメント
国内債券、国内株式、国内リート(不動産)、先進国債券、新興国債券、先進国株式、新興国株式、先進国リート、という8つの資産に均等に分散投資。
つみたてNISA対象ファンドのうちバランス型で純資産残高が多くコストが低め。
運用管理費用(信託報酬)年率0.143%(税込)。
5.たわらノーロードバランス(堅実型)
運用会社:アセットマネジメントOne
国内外の債券、株式、リートに分散投資。株式の割合は17%と少なめで、債券中心の堅実な運用。
つみたてNISA対象ファンドのうちバランス型ではコストが低め。
運用管理費用(信託報酬)年率0.143%(税込)。
1~5の番号をつけましたが、必ずしも1が一番良いというわけではありません。これら5本の投資信託(ファンド)は、同じカテゴリーの中では最もコスト負担が軽い部類に入るものを選んでいます。
今回オールカントリーを1番にしたのは、多少でも株式への投資を考えるなら、まずはオールカントリーで全世界に分散投資をしたうえで、自分なりに投資割合を高めたい国や地域に投資しているものを追加で買っていくのが無難だと思っているからです。
オールカントリーだと、国別の投資割合はアメリカが60%くらいで日本が5%程度なので、アメリカをもっと増やしたいならS&P500に連動するタイプ、日本をもっと増やしたいなら日経平均に連動するタイプを加えるとよいかと思い、2、3を選んでいます。
4、5は、株式だけでなく、債券やリート(不動産)も加えた8資産に幅広く分散するタイプで、8資産均等型と債券重視型(堅実型)。値動きのある商品に慣れていない人は、バランス型から始めて少しずつ値動きに慣れていけば良いかと思います。
なお、今回選んだ5本はすべて「つみたてNISA対象ファンド」なので、「つみたてNISA」で利用できるのはもちろん、「一般NISA」でも利用できます。さらに、2024年からの新NISAの「つみたて投資枠」、「成長投資枠」のどちらでも利用できます。
一般NISAや新NISAの成長投資枠では、株式の個別銘柄にも投資できますが、必ずしも個別株に投資しなければならないわけではありません。つみたてNISA対象ファンドで積立額を大きくしても良いのです。新NISAなら毎月30万円までの積立投資が可能になります。
つい最近の取材でも、「成長投資枠では何を買うのがオススメですか?」という質問を受けましたが、どうしても個別株投資をしたいと思う人以外は、つみたて投資枠で買うものと同じで良いと思っています。取材に来た記者の人にとってはつまらない答えだったかもしれませんが、そこに面白さは必要ないでしょう。
ちなみに、元証券マンFPの筆者としては、個別株投資が好きなので、成長投資枠では個別株に投資して大きな成長を期待して持ち続けたいと考えています。個別株投資に興味のある方は、少しずつ勉強しながら、少しずつチャレンジしていきましょう。当然、ハイリスクなので、リスクコントロールを意識してください。