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リタイア後は「きょういく、きょうよう、ちょきん」が重要


総務省の調査によると、2022年9月現在の65歳以上の高齢者人口は約3,627万人で、全人口に占める割合は29.1%でした。日本の人口のほぼ3割が高齢者になってきています。

<65歳以上の高齢者人口と全人口に占める割合の推移>
1970年 … 約733万人(7.1%)
1995年 … 約1,828万人(14.6%)
2020年 … 約3,603万人(28.6%)

また、100歳以上の人口もついに9万人を超えました(うち89%の約8万人が女性)。2、3年後には10万人を超えるペースで増加し続けています。国立社会保障・人口問題研究所によれば、団塊世代が100歳を迎え始める2047年ごろには、100歳以上の人口が50万人を超える予測さえ出ているようです。

このような高齢化の進展とともに増加傾向になってきているのが、認知症患者の数です。厚生労働省の「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」の資料によると、2025年ごろには認知症患者の数が700万人に達する可能性もあるようです。

認知症は、日ごろの食生活や運動などの生活習慣によって発症確率が変わると言われています。日々の生活において認知症予防を意識するのが重要でしょう。

認知症予防の意識としては、数年前にある人から言われた言葉を思い出します。
その「ある人」とは、私が20代のころに勤めていた山一証券難波支店の総務部長だった人です。

数年前、山一証券が自主廃業になってから20年が経過したタイミングで、当時の難波支店の同窓会を開催することになりました。その同窓会に、当時の総務部長も参加してくれたのです。その総務部長は、山一証券の自主廃業の年に60歳で定年を迎え、それから20年が経過したので、ちょうど80歳。まだまだお元気そうで安心しました。

その80歳の元総務部長に言われたのが、次の言葉です。
「菱田くん、あのな、ワシみたいに歳をとってきたらな、『きょういく』と『きょうよう』が大切なのだよ」

「きょういく」と「きょうよう」?

「教育」と「教養」かと思い、よくよく聞いてみると、「きょう行くところ」と「きょうの用事」だそうです。
何の用事もなく家でじっとしていると、あっという間にボケてしまう。だから、毎日のように出かける用事を作っておけば、日々脳に刺激があるので認知症予防になるとのことでした。
「きょういく」と「きょうよう」。うまい言い方だなと思いました。

ちなみに、公益財団法人認知症予防財団による「認知症予防の10カ条」は以下のとおりです。
1.塩分と動物性脂肪を控えたバランスのよい食事を
2.適度に運動を行い、足腰を丈夫に
3.深酒とタバコはやめて規則正しい生活を
4.生活習慣病(高血圧、肥満など)の予防・早期発見・治療を
5.転倒に気をつけよう 頭の打撲は認知症招く
6.興味と好奇心をもつように
7.考えをまとめて表現する習慣を
8.こまやかな気配りをしたよい付き合いを
9.いつも若々しくおしゃれ心を忘れずに
10.くよくよしないで明るい気分で生活を

意識したいものですね。

それから、「きょういく」と「きょうよう」のようなうまい言い方といえば、私が通っているパーソナルジムのコーチに以前言われた言葉があります。
「菱田さん、歳をとるほど『ちょきん』が重要って知っていましたか?」

「貯金」かと思ったら、「貯筋」だそうです。
筋肉は、歳とともにどんどん落ちてしまう。人間の筋肉の7割は下半身にあり、ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれるくらい血流に与える影響も大きいそうです。

「50代、60代にどれだけ『貯筋』したかが、70代80代を元気に過ごせるかどうかにかかっていますからね」と言われました。

いつか必ずやってくるリタイア後の生活に向けて、「きょういく、きょうよう、ちょきん」を覚えておきたいものですね。

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