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複数回入院時の医療保険の落とし穴を知っておこう


医学の進歩による入院日数の短期化を背景に、近年、保険会社の新しい医療保険も変化しています。例えば主契約入院限度の設定を60日型とした場合、病気で60日、ケガで60日という考え方で、別の傷病で入院しても通算60日分しか給付されません。
また次回の入院までに一定の日数(以下、主契約ルール)が空いていないと、限度日数を越えた分は給付されません。主契約ルールについては保険会社によって違いがありますが、現在多く採用されている180日の場合について例をあげてご説明します。入院一時金特約にも大きくかかわってきます。

■主契約ルール
【例】入院給付金の支払い限度60日型(主契約ルール180日)、入院一時金特約付加

ケース1
肺炎(病気)で40日間入院(疾病入院給付金40日分、疾病入院一時金受け取り)
退院の翌日から181日以上経過後、
再び肺炎(病気)で30日間入院(疾病入院給付金30日分、疾病入院一時金受け取り)
この場合、疾病入院給付金を合計70日分(40日+30日)、疾病入院一時金を2回受け取れます。2回目の入院は181日以上経過しているため、新たな疾病入院とみなされます。

ケース2
肺炎(病気)で40日間入院(疾病入院給付金40日分、疾病入院一時金受け取り)
退院の翌日から180日以内に、
胃潰瘍(病気)で30日間入院(疾病入院給付金20日分給付、疾病入院一時金は給付対象外)
この場合、疾病入院給付金を合計60日分(40日+20日)、疾病入院一時金を1回受け取れます。60日型ですので10日分は受け取れません。2回目の入院は180日以内なので、前回の入院と通算され1回の入院とみなされます。

ケース3
肺炎(病気)で40日入院(疾病入院給付金40日分、疾病入院一時金受け取り)
退院の翌日から180日以内に、
骨折(ケガ)で30日間入院(災害入院給付金30日分、災害入院一時金受け取り)
疾病入院給付金を合計40日分、災害入院給付金を30日分、疾病入院一時金を1回、災害入院一時金を1回受け取れます。疾病とケガは別に考えます。

■主契約ルールの短縮化
近年の商品リニューアル時において【例】の主契約ルール180日以外に、90日、60日に改定した保険会社もあります。1回目の退院から2回目の入院までの主契約ルールの日数が短いほど複数回入院時には安心ではないでしょうか。

■因果関係がない場合でも同一入院へ
例えばケース2のように、入院1回目の肺炎と入院2回目の胃潰瘍に因果関係がない場合でも同一疾病とみなし、疾病入院給付金30日分や疾病入院一時金が支払われない保険会社の商品もあります。

お客様に【例】の支払い方ルールを説明するとなかなかご理解いただけない事も多く、昔の医療保険の支払い方をご存知の方は、前回の疾病と因果関係がない場合は新たな疾病とみなし、給付される保険会社を選ばれます。また保険を販売する側がどこまでしっかり説明してくれるのか、具体例をあげて説明してくれるか、販売側のモラルも問われます。

複数回入院された場合の取扱いについて、どれだけの間が空けば給付対象となるのか、また主契約の入院限度額日数は60日で大丈夫だろうか、傷病が変わった際には給付されないのではないか、と不安を募ることもあるでしょう。また現在新型コロナウイルス感染症の入院は、疾病入院給付金の支払い対象となっています。言い換えれば入院を余儀なくされる可能性が高くなっています。退院後別の病気で入院したケースもよく耳にします。元気な時には考えることはないものですが、こんなはずじゃなかった、知らなかったにならないよう、主契約ルールの違いを理解し、十分説明を聞き納得の保険選びをして頂きたいと願います。

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