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何が変わるのか?ふるさと納税の簡素化


全国の自治体の中から自分が貢献したいと思う自治体に対して寄附をできる「ふるさと納税」。寄附金の使途を指定できる自治体もあり、税金の使い道を納税者自身が選択できる唯一の制度となっています。

もともとは、税金の課税主体を国から地方への移譲したり、故郷を離れた人が生まれ育った自治体に貢献できたりするように設計されたものでしたが、(1)寄附した金額のほぼ全額が所得税と住民税から差し引かれる(控除できる)点や、(2)寄附先の自治体から「返礼品」というおまけがもらえる点が注目され、利用者が増えてきています。
一方で「確定申告の手続きが少し面倒では?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。それが令和3(2021)年申告分から簡素化されることになりました。何が変わるのか、変更点や申告方法について確認してみましょう。

■手続きの変更点
今までふるさと納税の確定申告は、「寄附金受領証明書」が必要でした。この証明書は寄附先の自治体が発行してくれますが、寄附先が多いと申告の際には、電卓で足し合わせて合計金額を出したり、何度もデータ入力したり、1枚づつ申告書にのりで貼り付けて、郵送や持参して税務署に提出にいったりと手間がかかりました。これが令和3(2021)年申告分からは、特定事業者ごとに発行される「寄附金控除に関する証明書」1枚の添付で済むようになります。寄附金額の申告書への記入も、この証明書に記載されている合計額をそのまま転記するだけでよいのです。

■特定事業者とは
かんたんにいうと「ふるさと納税サイト」の運営事業者です。国税庁によって指定され、2021年7月30日現在、「ふるなび」「さとふる」「楽天ふるさと納税」「ふるさとチョイス」「ふるさとパレット」「ふるさとプレミアム」「ふるさとぷらす」「セゾンのふるさと納税」「ANAのふるさと納税」「ふるさと本舗」「三越伊勢丹ふるさと納税」「JALふるさと納税サイト」と今後も登録数は増えていくとみられます。

■寄附金控除に関する証明書の入手方法
ふるさと納税サイトからXMLファイルをダウンロードします。確定申告をe-Taxを活用する場合、このデータを申告時に送信します。e-Tax以外の方法で手続きを行う場合は、まず、ダウンロードしたXMLファイルを、国税庁が提供する「QRコード付証明書等作成システム」で読み込んでPDFに変換し、これをプリントアウトして書類にします。「あれ?郵便届いたっけ?失くした?」といった思いは、もうしなくて済みます。

ちなみに、この証明書には、(1)寄附者の氏名、住所、(2)その年中の寄附者の寄附総額、(3)特定事業者が寄附を管理している番号、(4)寄附年月日、(5)寄附先の名称及び法人番号、(6)その他参考となるべき事項、が記載されています。

■手続き簡素化によって楽になる人
今回の改正によって恩恵を受ける人は(1)特定事業者の運営するふるさと納税サイトを利用して、(2)複数の自治体に寄附をし、(3)確定申告をしている人です。

なお「ワンストップ特例制度」を利用している方も多いでしょう。ワンストップ特例制度とは、(1)確定申告の必要ない給与所得者等で、(2)1年間の寄附先が5自治体以内である場合に利用できる制度です。ワンストップ特例制度を利用している場合はそもそも確定申告は不要ですので、今回の手続き簡素化において変更点はありません。あわせて押さえておえておきましょう。

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