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コラムColumn

  • 2021.01.28
  • ライフプラン
  • 中山 浩明

特定不妊治療費助成制度の改正点と留意点

特定不妊治療に対する公費助成制度が拡充される予定です。新制度は2021年4月開始ですが、2021年1月1日以降に終了した治療分より適用されます。

 

今回の拡充ポイントは次の通りです。

 

1. 所得制限の撤廃
2. 助成上限額の引き上げ
3. 助成回数のルール変更

 

■特定不妊治療助成制度とは
不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、高額な医療費がかかる不妊治療に要する費用の一部を助成する制度です。特定不妊治療とは「体外受精」「顕微授精」で、「人工授精」は含まれません。「体外受精」や「顕微授精」は1回あたり治療費が20万円から40万円と高額で、健康保険も適用されないため自己負担が高額になります。実施主体は都道府県、指定都市、中核市で、国が実施する特定治療助成事業に基づき運営されています。

 

■助成を受けることができる人
体外受精、顕微授精以外の治療法では妊娠の見込みがない、あるいは極めて少ないと医師に診断された夫婦が助成対象です。治療開始日における妻の年齢が43歳以上の場合は助成対象外となります。所得制限が設けられており、夫婦の合算所得を730万円未満としていますが、今回の制度改正により所得制限が撤廃される予定です。

 

■助成上限額
1回の治療に対する助成上限額は15万円(初回のみ30万円)ですが、今回の拡充により30万円まで引き上げられる予定です。男性不妊治療費も助成対象で、1回の治療あたり15万円(初回は30万円)が上限ですが、こちらも30万円まで引き上げられる予定です。

 

■助成を受けられる回数
治療開始日における妻の年齢により助成回数が異なります。妻の年齢が39歳未満の場合は通算6回まで、40歳以上の場合は通算3回までとされています。43歳以降に開始した治療は助成対象になりません。今回の改正で助成回数のルールが見直され、「通算」ではなく「1子ごと」に変更される予定です。

 

例えば、妻が35歳で特定不妊治療を開始し、4回助成を受けたのちに第1子を授かった場合、現行制度では第2子以降で受けられる助成回数はあと2回です。新ルールでは第2子以降の助成回数がリセットされ、第2子の治療でも6回まで助成が受けられるようになります(※1)。

 

■特定不妊治療を受ける際の留意点
1.指定医療機関で治療を受けること
自治体の指定を受けていない医療機関で受けた特定不妊治療は助成対象になりません。厚生労働省が指定医療機関の一覧表を公表していますが、最新情報とは限らないため、必ず各医療機関に確認するようにしてください。

 

【参考】不妊に悩む方への特定治療支援事業 指定医療機関リスト(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000697077.pdf

 

2.申請期限に注意
「治療終了日の属する年度末」や、「治療終了日から60日以内」など、比較的短いのが特徴です。あっという間に期限が過ぎてしまう恐れがあります。中には「申請期限を過ぎると、いかなる理由があっても助成しない」と謳う自治体もありますから、「治療が終了したら速やかに申請する!」と覚えておくとよいでしょう。

 

申請には領収書の提出が求められますが、返還してもらえない自治体がほとんどです。不妊治療の領収書は「医療費控除」にも使えますから、コピーでも受付けてもらえるかどうか、原本なら返還してもらえるかを確認することもお忘れなく。書類提出先は自治体によって違いますので、ホームページなどで確認をしておいてください。

 

【参考】 実施主体のホームページ一覧(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000047346.html

 

1.なるべく早く専門家に相談する
公費助成制度は、治療を開始した妻の年齢が若いほど、助成を受けやすくなっています。
また、女性は年齢の増加とともに妊孕力(にんようりょく、妊娠する力)が低下するという研究データがあります。不妊頻度は25~29歳では8.9%ですが、30~34歳では14.6%、35~39歳21.9%、40~44歳では28.9%と報告されており、30歳から自然に妊娠する確率が減っていることがわかります(※2)。

 

「なかなか子宝に恵まれないな」と思ったら躊躇せず、まずは専門家に相談しましょう。各自治体が設置している「不妊専門相談センター」では、不妊に関する医学的、専門的な悩みについて専門家が相談に応じたり、医療機関ごとの不妊治療の実施状況などの情報提供も行っていますので、積極的に活用しましょう。

 

【参考】 全国の不妊専門相談センター一覧(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000689250.pdf

 


※1 治療開始日の妻の年齢が40歳以上の場合は3回。
※2 一般社団法人 日本生殖医学会のホームページより

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