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コラムColumn

  • 2020.10.29
  • その他
  • 菱田 雅生

5ヵ月連続で景気は改善?景気ウォッチャー調査とは

内閣府が毎月公表している「景気ウォッチャー調査」の2020年9月調査の結果によると、現状判断DI(季節調整値)が前月比5.4ポイント上昇の49.3となり、5ヵ月連続の上昇を記録したようです。

 

新型コロナウイルス感染症の影響で3月から4月にかけて一気に落ち込んだ景気が、着実に戻りつつあることが数値的には読み取れるといってよいでしょう。内閣府も、「新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、持ち直している。先行きについては、感染症の動向を懸念しつつも、持ち直しが続くとみている。」とまとめています。

 

さて今回は、この景気ウォッチャー調査について、どんな調査なのかを簡単にまとめます。

 

調査の目的は、「地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て、地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し、景気動向判断の基礎資料とすること」が目的とされています。
北は北海道から南は沖縄まで、全国を12の地域に分けて、地域ごとの「家計動向」、「企業動向」、「雇用」等の経済活動を敏感に反映する現象を観察できる業種、職種の中から選定した2,050人に対してアンケート調査を行っています。
2,050人の内訳は、家計動向関連が1,405人、企業動向関連が438人、雇用関連が207人となっています。最も人数の多い家計動向関連では、小売関連が817人、飲食関連が105人、サービス関連が400人、住宅関連が83人と分類され、さらにそれぞれが細かく分類されて幅広い業種、職種からアンケート対象者を絞り込んでいます。

 

調査内容は、以下のとおりです。
(1) 景気の現状に対する判断(方向性)
(2) (1)の理由
(3) (2)の追加説明及び具体的状況の説明
(4) 景気の先行きに対する判断(方向性)
(5) (4)の理由
(参考) 景気の現状に対する判断(水準)

 

つまり、実際の現場でお仕事をされている人たちにナマの声を聞いて、景気の現状や見通しのリアルな姿を把握しようとしているわけです。

 

実は、この景気ウォッチャー調査は、いまからちょうど20年前の2000年(平成12年)1月からスタートしました。この調査がスタートした背景、そして誕生秘話が内閣府のwebサイトに載っていました。

 

この景気ウォッチャー調査の生みの親は、平成31年2月に亡くなった堺屋太一氏(当時の経済企画庁長官)だったそうです。
1998年(平成10年)7月に小渕恵三内閣が発足し、経済企画庁長官に就任された堺屋太一さんは、「景気動向をもっと早期に把握できないか」という問題意識を持っていたようで、景気動向に関する情報を早く手に入れる仕組みづくりの検討を指示していました。
堺屋太一さんの熱意はすさまじかったようで、外部の有識者からなる「動向把握早期化委員会」が発足されて検討が重ねられ、調査のスタートにこぎつけたようです。景気ウォッチャー調査は、当時の堺屋太一さんの情熱とイニシアティブの賜物であるとまとめられていました。

 

この誕生秘話を読んで、ハッとさせられました。
これまで30年近く、さまざまな統計や経済指標などを見てきましたが、それらの統計や調査の仕組みを作った人たちが必ずいたんですよね。きっと中には堺屋太一さんと同じように、熱い想いで困難を乗り切った人たちがいたはずです。私たちは、その人たちの想いのおかげで何らかの恩恵を受けているわけです。

 

とかく統計や経済指標は、数値だけが発表されるので、とても無味乾燥なものに見えてしまいがちですが、その調査を始めた人たちの想いがあったことを意識すると、血の通ったものに見えてくる感じがします。
きっと、子どもたちや孫たちの世代には、もっと経済が安定し、多くの人が幸せに暮らしていける日本経済になっていてほしいという願いや想いが、一つ一つの経済指標に込められているのではないかと思いました。作ってくれた人たちに感謝したいと思います。

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