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コラムColumn

  • 2020.06.04
  • 投資
  • 菱田 雅生

相場はアマノジャク(天邪鬼)?

前回の記事(4/16掲載)で、株価が戻るには「数年以上の時間がかかる可能性があることは覚悟しておくべきかもしれません」などと書きましたが、緊急事態宣言も解除され、最悪期は脱したという判断からか、株価は順調に戻っていっているようです。

 

5月28日現在、NYダウは26,000ドル台まであと少し、日経平均株価も22,000円台が見えてきています。新型コロナショック後の下げ幅の「半値戻し」をクリアし、あと1、2割の上昇で新型コロナショック前の状態まで「全値戻し」を達成してしまう状況です。

 

しかし、個人的な感想としては、5月中旬以降の株価上昇は、ハッキリ言って「気持ちの悪い株価上昇」としか言いようがありません。株価が上がっていく理由がよくわからないからです。

 

もちろん、筆者も元証券マンです。20代前半のころから約30年にわたって株式市場を見ていますので、こういう「気持ちの悪い株価上昇」がたまに起きることは知っています。知ってはいますが、とにかくイヤな感じなのです。

 

まず、常識的に考えて、いま株式を買い上がっていく理由がありません。新型コロナによる日本経済への悪影響の具体的な数値はこれから明らかになってくるはずです。一部の企業は新型コロナによって潤ったところもあるでしょうが、大打撃を受けた企業のほうが多いでしょう。

 

そして、これから第2波がやってくる可能性もあります。ワクチンの研究が世界中で進んでいることは安心材料の一つとして大きいですが、まだ第1波が終息したとは言えない状況なので、日本経済全体が新型コロナショック前の状態に戻るには、かなりの時間がかかると思うのです。

 

にもかかわらず、株価は上昇していく。
あえて、それらしい理由を筆者なりに考えてみるなら、5月中旬からの戻り局面は、株価がもっと下がると思って信用取引で空売りをしていた投資家や、先物取引で売りから入っていた投資家などが、損失を限定するための買い戻しを入れてきているのかもしれません。そして、その動きを察知した投資家が、短期売買で値幅取りをしようと、買いを入れているのではないかと思います。

 

実際には、さまざまな投資家がそれぞれの思惑で売り注文や買い注文を入れていますので、相場が動いた理由を一つに特定することはできません。もともと、理由など、あってないようなものなのです。それをわかっているくせに矛盾したことを言ってしまうのですが、今回の株価上昇は気持ち悪いのです。

 

「相場は相場に聞け」といった投資の格言がありますが、相場はアマノジャクなものなので、多くの投資家が下がると思っているときにはなかなか下がらない、多くの投資家が上がると思っているときにはなかなか上がらない、相場のことは相場に聞かないとわからないといった意味です。

 

相場がアマノジャクだとするなら、この気持ち悪い上昇はまだしばらく続くのかもしれません。そして、多くの投資家が先行きの株価上昇を期待するようになったときに天井を迎えて下落に転じるのかもしれません。先行きは誰にも予測できませんが、相場がアマノジャクであることは知っておいたほうがよいでしょう。

 

似たような格言に、「天底では少数意見につけ」というものもあります。
株価が天井圏にあるときや、底値圏にあるときには、多数意見よりも少数意見のほうが当たりやすい傾向があるということを意味しています。

 

1989年末の平成バブルのピーク時や、2000年ごろのITバブルのピーク時など、当時は、バブルという認識自体がありませんでしたから、あの時点で暴落を予想した人はほとんどいなかったはずです。多数意見ばかりでは方向を見誤るということでしょう。

 

さて、これから相場はどうなるのか。
株式市場だけでなく、債券市場、為替市場、原油市場、商品市場などなど。
アマノジャクであることを忘れずに、謙虚な気持ちで見守っていくことにしましょう。

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