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  • 2020.04.16
  • 投資
  • 菱田 雅生

確定拠出年金(DC)は60歳ですぐに受け取らなくてもいい

この記事を書いている2020年4月12日現在、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状態が続いています。日本経済は一体どうなってしまうのか。現時点ではまったく予想できない状況です。日本経済だけでなく世界経済全体に与えるインパクトは、10年ほど前のリーマンショックの比ではないレベルになりそうな雰囲気です。

 

NYダウで見ると、コロナショック前の高値29,568ドル(2月12日)から、直近の安値18,213ドル(3月23日)まで、1ヵ月ちょっとで40%近く(38.4%)の下落を記録し、23,719ドル(4月9日)まで戻ったところです。株価水準としては、ちょうど「半値戻し」(=下落幅の半分の株価上昇)の水準です。

 

日経平均株価で見ると、コロナショック前の高値24,115円(1月17日)から、直近の安値16,358円(3月19日)まで、約2ヵ月で30%ちょっと(32.2%)の下落を記録し、19,498円(4月10日)まで戻ったところです。株価水準としては、半値戻し(20,236円)まではあと少しです。

 

ここ数年続いたマーケット環境の好調さからの突然の変調に、動揺してしまう人が増えるのは当然でしょう。最近、確定拠出年金(企業型DCやiDeCo)の利用者から以下のような質問が増えてきました。

「投資信託から定期預金に変更してしまったほうがいいか」

「株式中心の運用から債券中心の運用に変えたほうがいいか」

「もう60歳が近づいているので、全部定期預金に変えておいたほうがいいか」

などです。

 

先月のコラム(第829回)で竹川美奈子さんも書かれていますが、株式市場の大幅下落を受けて、せっかく始めた積み立てをやめてしまったり、積み立てた投資信託を解約してしまったりするのは、非常にもったいないです。

「長期投資、継続投資、分散投資」といった最も無難と考えられる資産運用を実践できるのがDCやつみたてNISAです。突然の株価の下落があったとしても、「安くなったところを拾っていけるチャンス」くらいに考えておくとよいでしょう。

 

とはいえ、60歳が近づいている人からは、「そんな悠長なことは言っていられない。受取額を減らさないためにも一刻も早く解約すべきではないか」といった声が聞こえてきそうです。

DCの場合、通常、60歳まで(規約で認めている場合は65歳まで)しか積み立てを続けることはできません。安くなったところを拾えるチャンスといっても、もう積み立てできる期間が短いという人もいるでしょう。しかし、だからといって、このタイミングで投資信託を解約しなければならないわけではありません。

 

是非とも覚えておいていただきたいのは、DCのお金は、60歳から受け取らなくてもいいということです。法律上は、『60歳から70歳までの間に受け取りを始めること』となっていますので、70歳までの間に自由に受け取り時期を決めることができるのです。

 

当然ながら、受け取りを始めるまでの間も、投資信託での非課税運用を続けることが可能です。もっと言えば、70歳以降も非課税での運用を続けながら分割して取り崩すことも可能です。最長20年間での分割受取もできるのが通常ですので、70歳から受け取りを始めれば最長で90歳まで非課税での運用を続けることができるわけです。

ただし、60歳以降の受け取りを待っている間にかかる手数料(企業型DCのプランによって異なる)や、受け取りの都度かかる手数料などの負担もありますので、受取開始を遅らせたり、長期間の分割受取を選択したりすることが、必ず有利になるとは一概には言えませんのでご注意ください。

 

60歳が近づいている人にとっては、今回の株価暴落は大きなショックかもしれません。しかし、まだまだ20年や30年の非課税運用が可能であることを知っておいてください。いまこの瞬間に何らかの決断を下さないとダメというわけではありません。さまざまな資産に分散ができている人ほど、そのまま放っておくのが無難な可能性も高いのです。

もちろん、このタイミングでリバランスを検討するのはよいかもしれません。ただ、リバランスのタイミングも、絶妙な時期を事前に言い当てることは不可能です。とにかく、焦って極端な行動に移さないようにすべきでしょう。

 

とはいえ、今後の株式市場の先行きに明るさが戻るのはまだまだ先の話だと思われます。半年後なのか、1年後なのか、2年後なのか。リーマンショックの時には、ショック前の高値に戻るまでには、アメリカが約4年、日本が約6年かかっています。原因も状況も異なるので一概には言えませんが、数年以上の時間がかかる可能性があることは覚悟しておくべきかもしれません。

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