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もし明日、地震が来たら~今から備える「公助・共助・自助」


■自然災害に見舞われた際の「公助」とは
近年は地震・豪雨・土砂災害が各地で相次ぎ、私たちは常に自然災害と向き合いながら生活しています。令和6年の能登半島地震では、元日の発災という誰も予想していなかったタイミングで甚大な被害が起こり、「災害はいつどこで発生してもおかしくない」という現実をあらためて認識させられました。

こうした災害に直面したとき、最初に頼りになるのが行政による「公助」です。しかし、公助がどこまで生活再建を支えられるかを正しく理解している人は決して多くありません。

■「被災者生活再建支援金」は生活再建の「入口」にすぎない
大規模災害で住宅に被害が出た場合、国と自治体から「被災者生活再建支援金」が支給されます。全壊や大規模半壊などの認定に応じて最大300万円が支給されますが、この支援金はあくまで「生活を立て直すための初期費用」を支える仕組みであり、住宅の再建費そのものを補う制度ではありません。

実際に家を建て直したり修理したりするには、解体費、仮住まい費用、家財の買い替え、引越しなど、多くの費用がかかります。支援金だけでこれらをまかなうのは難しく、公助には限界があるという現実を知っておく必要があります。

■「罹災証明書」はすべての支援の起点
公的支援を受けるために欠かせないのが、市町村が発行する「罹災証明書」です。建物の被害状況を公的に示す書類で、生活再建支援金、見舞金、税金の減免、社会保険料の軽減、住宅ローンの特例など、あらゆる支援のスタート地点となります。

能登半島地震でも、広い範囲で住宅が倒壊し、道路の寸断や職員不足で調査に時間がかかる地域がありました。いざ災害が起きてから慌てないためにも、「罹災証明書がなぜ重要なのか」「どうやって申請するのか」を知っておくことは大きな備えになります。

■自然災害における債務整理ガイドライン
住宅ローンなどの返済を抱えたまま被災すると、返済が難しくなることがあります。このような場合に使えるのが「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」です。

この制度は、自己破産とは違い、信用情報に傷をつけずにローンの条件見直しや減額ができる仕組みで、災害によって生活が困窮し、再建が遅れてしまうことを防ぐ役割があります。ただし、利用には罹災証明書の提出や金融機関との調整が必要で、全てが自動的に救済されるわけではありません。内容や手続きの流れを理解しておくことが大切です。

■生命系の保障と、損害系の保障では考え方が逆になる
生命保険などの「生命系」の保障では、まず公的保障(遺族年金など)、次に職場などの保障、そして足りない部分を民間の保険や共済で補う、という順番で考えるのが一般的です。

しかし、自然災害の場合、この順番は大きく変わります。災害時の公助には限界があり、住宅の修理費や生活再建費を十分に補えるものではないため、「まず自助をしっかり備えておく」ことが重要になります。地震保険や自然災害共済といった自助の部分を土台とし、公助は不足部分を補うものとして活用する、という考え方が必要です。

■地震保険・自然災害共済への加入は「経済的な備え」
自然災害は、いつどこで起こるか分かりません。能登半島地震のように、元日の静かな日中に突然大地震が発生することもあります。日常は予告なく壊されることがあるからこそ、「経済的な備え」を持っておくことが大切です。

地震保険や自然災害共済は、住宅の損壊や家財の被害に対して保険金が支払われ、修理費や生活用品の買い替え、仮住まいなど、再建に直結する支出を助けてくれます。公助だけでは十分ではないため、自助としての保険・共済の役割は非常に大きいと言えます。

また、公助の仕組みを知っておくことも立派な備えです。罹災証明書、生活再建支援金、債務整理ガイドラインなど、災害後に必要となる制度を理解しておくだけで、復旧までの時間や精神的負担が大きく変わります。

■最後に
自然災害は避けられず、突然やってきます。だからこそ、私たちができる最も確実な備えは「自分の生活を守るための準備」を前もって整えておくことです。

公助は心強い支えになりますが、生活を丸ごと立て直すほどの支援ではありません。共助(義援金など)も同様で、あくまで補助的な役割にとどまります。だからこそ、「自助」を柱にしつつ、公助や共助の仕組みを理解しておくことが、災害に強い暮らしにつながります。

もし明日、地震が来ても、自分と家族の生活を立て直せる準備ができているか・・・その視点を持つことが、これからの防災において最も大切なのです。

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