コラムColumn
執筆者プロフィール
- CFP ファイナンシャル・プランナー
- 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
- TLC(トータルライフコンサルタント)副称号:生命保険協会認定FP
- 損害保険上級資格
- DCプランナー2級
- キャリアコンサルタント
- 2025.09.18
- 相続
資産運用・相続に使える外貨建一時払終身保険の活用事例
先日金融庁が検討する2026年度の税制改正要望の概要が8月26日に判明し少額投資非課税制度(NISA)の対象を高齢者や子どもを含めた全世代に拡大することがわかりました。今回は生命保険会社が販売している人気商品である外貨建一時払終身保険の活用事例についてお話しします。
外貨建一時払終身保険は、その通貨の国の債券で運用されているのが特徴です。今回は外貨建でも一番売れている米ドル建の活用事例を紹介します。
①資産運用としての活用
■円建よりも比較的高い金利を享受した利率で、効率的に資産を増やすことができます。長期金利(10年国債利回り)は、米国4.161%、オーストラリア4.164%、日本1.317%(2025年4月末現在)となっており、日本国債より高く魅力的な利回りです。
■通貨分散により、保有する資産が目減りするリスクを低減できます。円の他に外貨を保有することで資産を分散させておくこと、円の資産価値が下がった場合にも、資産全体が目減りするリスクを下げることができます。
■「金利の力」で万が一円高になっても円換算の目減りを軽減できます。また「為替の効果」で円安の場合はさらに資産の増加が期待できます。
9月1日現在の米ドル建一時払終身保険の利率は各社概ね4.3(積立重視型)~5%(保障重視型は20年保証)前後となっています。
注1:円換算額は為替相場の影響を受けます。その為保有した時点での円換算額(円元本)を下回ることもあります。
注2:10年間は解約控除があります。1年目が最も控除率が高く、10年で控除率は0%になります。その為中途解約時には注意が必要です。
注3:為替リスクの他に市場価格調整リスクがあります。加入時より債権の利回りが上がっていたら、債券の価格は下がっています。利回りと債券価格が逆の関係にあることに注意が必要です。
注4:保険関係諸費用がかかります。
注意点もありますが、資産運用として個人だけではなく法人でも活用されています。ドルでの解約返戻金は約束されていますから、解約時の注意点さえ気をつけることで、資産形成に力を発揮します。
②相続で活用できる生命保険である
■スムーズに現金化
万が一の時には保険金として支払われます。保険金は受取人固有の財産なので、遺産分割協議書は不要です。相続が発生し保険金受取人が死亡保険金の請求をすることで、原則5日以内に受け取れます。
■お金に名前をつけられる
外貨建一時払終身保険は死亡保険ですから契約時に死亡保険金受取人を指定することで、誰にいくら残すのか、「お金に名前をつけておく」ことができます。被相続人の意思がきちんと反映されて円滑な遺産分割に役立ちます。
昨年余命宣告をされた77歳のお客様から銀行預金を3人の子供に均等に渡したい場合どうしたらいいかというご相談を受けました。保険なら3人のお子様をそれぞれ受取人に指定する事で確実に渡せて、お父様のお気持ちを伝えることができるのではないでしょうかとアドバイスし、ドル建一時払終身保険に加入されました。残念ながら1年後にお亡くなりになりましたが、加入時に支払った保険料が円で各120万、保険金として受け取られたお子様方は各170万の保険金を受け取られました。お父様の気持ちもお伝えすることで涙ながらの感謝の言葉が心に残っています。(9か月間は元本保証の保障型)
ドルに限らず一時払終身保険は、余命宣告されていても契約時に入院中でない場合は契約することができます(一部簡単な告知が必要な商品もあり)。
■相続税の非課税枠の活用
契約者=被保険者、保険金受取人が相続人の場合、保険金の非課税枠を活用できます。
500万円×法定相続人の数(相続放棄をした人も含む)
■受取りはどちらの通貨でも可能
解約金や死亡保険金の受取りは、ドル・円どちらでも可能です。
今回の保険商品は分散投資のひとつの方法です。円資産や他の投資商品とのバランスを考えてご参考にしていただけたら幸いです。