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35年超ローン、過去最高!知らないと損する2つの真実


住宅金融支援機構の最新の調査によると、2024年10月から2025年3月までに住宅ローンを組んだ人のうち、4人に1人が35年超の返済期間で借りたようです(【住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)】より)。

もう少し細かく調査結果を見ると、利用した返済期間の割合は以下のとおり。

10年以内 3.6%
10年超15年以内 3.7%
10年超20年以内 6.3%
20年超25年以内 6.6%
25年超30年以内 8.5%
30年超35年以内 45.8%
35年超40年以内 18.4%
40年超50年以内 7.1%

「30年超35年以内」を選んだ人が45.8%と最も多いことがわかりますが、「35年超40年以内」と「40年超50年以内」を選んだ人を合計すると25.5%、つまり、4人に1人は35年超の返済期間を選択しているのです。

実は、2022年4月・10月の調査までは、35年超の返済期間で借りた人は10%に満たない状態でした。しかし、2023年4月調査から10%を超え、2024年10月調査で20%を超え、ついに今回、25%を超えるレベルへと急増しているのです。

ここ1,2年で急に40年返済や50年返済といった超長期の返済期間を選ぶ人が増えている一番の理由は、物件価格の上昇だと思われます。東京23区の新築マンションの平均価格が2年連続で1億円を超えるなど、都心部を中心に続いている不動産価格の上昇や、資材価格や建築コストの上昇なども相まって、物件価格の上昇傾向が続いています。

マイホームを買いたいと思っても、35年返済では毎月の返済額が多くて支払っていけるか自信がない。40年返済や50年返済なら毎月返済額を抑えられるので、なんとか支払っていけるかもしれない。そう思う人が35年超の返済期間を選んでいるのでしょう。

また、そういうニーズに対応しようとして、これまで最長35年だった返済期間の上限を40年や50年に延ばす金融機関が増えていることも、35年超の返済期間を選ぶ人の増加に拍車をかけているのかもしれません。

しかし、毎月返済額の少なさ重視で安易に40年返済や50年返済を選んでしまってよいのでしょうか。老婆心ながら、超長期のローンの利用を検討している人は、以下の2点についてきちんと理解し、慎重に判断するようにしてください。

1.総返済額が増える(=利息の負担が重くなる)

例えば、借入金額5,000万円、借入金利2%(全期間固定金利)で計算してみると、

30年返済…毎月返済額184,809円、総返済額約6,653万円
40年返済…毎月返済額151,412円、総返済額約7,268万円
50年返済…毎月返済額131,895円、総返済額約7,914万円

というように、30年返済と50年返済とでは、50年返済のほうが毎月返済額は5万円以上減りますが、総返済額で見ると1,300万円近く増えてしまうことがわかります。それだけ多くの利息を支払わなければならないのです。

そもそも、返済期間を長くすると毎月返済額が少なくなるわけですが、その減る部分はというと、実はローンの元金部分に充当されるお金が減る仕組みになっているのです。先ほどの計算例で、初回返済額に占める利息と元金の金額を見てみると、

30年返済…初回返済額184,809円(うち利息83,333円、うち元金101,476円)
40年返済…初回返済額151,412円(うち利息83,333円、うち元金68,079円)
50年返済…初回返済額131,895円(うち利息83,333円、うち元金48,562円)

というように、初回の利息負担は返済期間に関係なく、全く同じ金額なのです。これは、当然と言えば当然なのですが、住宅ローンの利息は、その時のローン残高に対して金利(正確には月利)をかけて求めます。

なので、初回の利息は、
借入金額5,000万円×借入金利2%÷12ヵ月=83,333円
となるのです。借入期間が何年かは全く関係ありません。
※ただし、金融機関によっては初回返済額の利息は、融資実行日から初回返済日までの日数に応じて計算される関係で、上記の計算とは異なる場合があります。

したがって、返済期間を延ばせば延ばすほど、毎月返済額は少なくなりますが、その分ローンの元金に充当されるお金も減るので、ローン残高がなかなか減っていかず、結果としてトータルの利息の負担も重くなってしまうのです。

2.ローン残高の減るスピードが遅い

返済期間を延ばすことによって、ローン残高の減るスピードがどのくらい遅くなるのかを、先ほどの計算例で比べてみましょう。当初5,000万円のローンが、どのくらい減るのか、残高の金額と割合の比較です。

30年返済…10年後約3,653万円(73%)、20年後約2,009万円(40%)、30年後0円(0%)
40年返済…10年後約4,096万円(82%)、20年後約2,993万円(60%)、30年後約1,646万円(33%)
50年返済…10年後約4,355万円(87%)、20年後約3,568万円(71%)、30年後約2,607万円(52%)

なんと、50年返済だと、30年が経過してもローンは半分以上残っている計算になります。20年後や30年後に売ろうと思っても、売却価格よりもローン残高のほうが多く、差額を貯蓄などから支払わないと、売ることさえできない状態になってしまう危険性もあるのです。

これら2つの点からしても、個人的には40年返済や50年返済の利用は全くすすめません。
唯一、利用してもいいと思える人は、

・手元資金が十分にある
・借入金利以上の運用利回りで確実に運用できる
・いつでも繰り上げ返済で残りの期間を短くできる、または、完済できる

という条件を満たせる人でしょう。
やはり、住宅ローンは60歳もしくは65歳までに完済できる返済期間を最初から選ぶべきでしょう。

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