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コラムColumn

  • 2022.12.22
  • 投資
  • 菱田 雅生

投資詐欺にご用心!ポンジ・スキームとは?


先日、SNSを通じてこんな質問が送られてきました。

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菱田さんは、スカイプレミアムのライオンプレミアムってご存じですか?
実は私、利用しているんです。
昨年、金融商品取引法違反で販売停止になったようなのですが、
信頼している知人がその代理店をしていて、知人は大丈夫だと言っています。
でも、解約金が返金されないことで集団訴訟も起きたという報道を見て、

さすがに少し心配になってきたのですが、どう思われますか?

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正直なところ、ライオンプレミアムという商品名は知りませんでしたので、調べてから回答する旨を返信しました。

調べてみると、確かに1年ほど前の2021年12月8日に、証券取引等監視委員会(SESC)から、報道発表が行われていました。

それによると、スカイプレミアムインターナショナル社は、金融商品取引業の登録もなく、金融商品の販売をしていたようです。さらに、顧客に対する説明とは違って、海外のFX取引で運用するために海外の銀行への送金も行われておらず、海外でのFX取引そのものも確認できなかったようです。

もちろん、このことだけで詐欺だと断定できるわけではありませんが、金融商品取引業の登録もなく顧客から資金を集め、実際に運用していた形跡がないということからすると、「ポンジ・スキーム」による詐欺である可能性が非常に高いと思われます。

「ポンジ・スキーム」というのは、投資詐欺のなかで最も代表的なスキーム(仕組み、枠組み)と言われるもので、100年ほど前のアメリカで有名になった詐欺師チャールズ・ポンジの名前に由来するものです。

基本的な仕組みは非常にシンプルです。
例えば、
「100万円を投資すれば、毎月3%(3万円)の利益の分配をします。投資額に対する年36%の利益が確実に得られます」
などと言って投資を募ります。
そして、預かった100万円から毎月3万円の分配金を支払っていきます。全く運用はしないので、1年間で36万円の分配金を支払い、残金は64万円になります。

それでも、半信半疑の気持ちで100万円を投資した顧客からすると、着実に毎月3万円、1年間で36万円の分配金を受け取れたことで、この人(詐欺師)の言っていたことは本当だったんだと信用します。

顧客から信頼を得た詐欺師は、新規顧客の勧誘のために既存顧客を利用します。
「お友だちを紹介してくださいね。そのお友だちが投資してくれたら、投資額の10%をあなたにキャッシュバックしますから」
などと言って新規資金がどんどん入ってくる仕組みを作っていくのです。

このスキームは、分配金や解約金などの「出ていくお金」に対して、新たな投資資金として「入ってくるお金」のほうが多ければ、半永久的に継続できます。しかし、詐欺師は、続けることが目的ではないので、新規資金の流入ペースが鈍化してくるなど、自分の利益がピークアウトしそうな頃合いを見計らって“とんずら”するのです。

顧客は、分配金が予定どおり支払われなくなったり、解約請求に応じてくれなくなったり、という事態に陥って初めて、「ダマされていたのかもしれない」と気づきます。こうなると、集団訴訟をしても、取り返せる金額は微々たるものになる可能性が高いでしょう。

冒頭の質問者に対しては、早々に、投資詐欺に詳しい弁護士に相談することをすすめました。そして、代理店である知人は、質問者にとっては加害者ですが、もともとは被害者の1人だった可能性もあるので、その知人に対してどのように連絡するかも、弁護士に相談しながら決めていくべきだと伝えました。

このような投資詐欺は、100年以上前から世界中に存在します。
日本でも、オレンジ共済、安愚楽牧場、ジャパンライフなど、マスメディアによって大きく報道されたものから、メディアでは報道されない小さなものまで、さまざまなものが登場しては消えていっています。

自分は大丈夫だと思うかもしれませんが、あらためて、以下の5つのポイントをしっかりと覚えておくようにしましょう。

①金融商品取引業の登録のない業者の商品は買わないこと!
②「元本保証」で「高利回り」などのおいしい投資話は世の中に存在しないと肝に銘じること!
③「未公開株」、「プロ向けファンド」、「私募債」など、特別な商品だと勧めてきたものには要注意!
④仕組みがよく理解できない商品は買わないこと!
⑤金融商品や保険商品を販売していない信用できる複数人のFPに相談すること!

そもそも、どんな商品(金融商品以外も含む)であっても、販売担当者が一生懸命勧めてくる商品に、本当の意味で利用者にとって有利な商品が存在する確率は非常に低いと言えます。

なぜ一生懸命勧めてくるのか。
それは、販売会社または販売担当者が儲かるからです。利用者側の利益よりも販売側の利益のほうが大きい可能性も考えられます。その最たるものが今回触れた投資詐欺です。

これを機会に、どんな商品でも、自分で比較検討して選ぶクセをつけたほうがよいことを覚えておいてください。飲食店の店長オススメ料理くらいだったらいいのですが、販売担当者のオススメ金融商品は、利用しないほうがよいケースが多いので注意しましょう。

【参考】
証券取引等監視委員会
「SKY PREMIUM INTERNATIONAL PTE. LTD.(スカイプレミアムインターナショナル社)及びその役員1名による金融商品取引法違反行為に係る裁判所の禁止及び停止命令の発令について」
https://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2021/2021/20211208-1.html

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