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コラムColumn

  • 2022.07.21
  • 菱田 雅生

世界は人口ボーナス期から人口オーナス期へ移行中?


2022年7月11日に国連が公表した推計によると、世界の人口の年間増加率が1950年以降で初めて1%を割り込んだようです。世界最大の人口規模を誇る中国も、今年(2022年)から人口減少に転じ、来年(2023年)にはインドに抜かれる見通しだそうです。

世界の人口は、人類(ホモ・サピエンス)が誕生した10~20万年前(諸説あり)から、産業革命が始まった18世紀半ばごろまでの非常に長い期間、ジリジリと増加していきました。それが19世紀に入って10億人を超えたあたりから増加ペースが一気に高まり始め、20世紀初頭には20億人を超え、第二次世界大戦が終わると爆発的に人口が増えていったのです。

私が生まれた1969年には約36億人だった世界の人口も、2020年には77億人を突破しました。直近の約50年で2倍以上に人口が増えているわけです。国連の推計によれば、今年の11月中旬には80億人を超えていく見通しのようです。

将来的には、2030年に85億人、2050年に97億人、2080年代には104億人でピークに達すると予想されています。

19世紀以降の世界経済の大きな発展は、技術革新などの影響も大きいと思われますが、世界の人口が急激に増えたことも大きな要因の1つだと言えるでしょう。「人口ボーナス期」と呼ばれる、労働人口(生産年齢人口)の増加率が総人口の増加率を超える状態が長く続き、これが経済成長を力強く後押ししたわけです。

日本で言えば、「団塊の世代」と呼ばれた1947~1949年生まれの第1次ベビーブーム世代が高度経済成長から平成バブル期までの成長を牽引していきました。1970年代前半に団塊ジュニアと呼ばれる世代が生まれていった第2次ベビーブームも、1970年代から80年代にかけての消費の拡大に大きく貢献したものと思われます。まさに、人口ボーナス期の特徴である高い経済成長を記録した時代でした。

独立行政法人日本貿易振興機構によると、日本の人口ボーナス期は2005年には終了したとされています。「人口ボーナス」の反対は、「人口オーナス」と呼ばれます。人口オーナスは、総人口に占める生産年齢人口の割合が下がっていく状態。これに総人口の減少も加われば、その国の経済成長はどんどん厳しくなっていくと想像できます。近年の日本経済は、まさに「人口オーナス+総人口の減少」によって、経済成長しにくい状態に陥ってしまったのかもしれません。

とはいえ、生産年齢人口(日本の場合は15歳以上65歳未満)の割合が下がってきていると言っても、昔に比べて働く女性が増えたり、働く高齢者が増えたりしています。また、昔よりも副業をしやすい環境になってきているなど、国民1人あたりのGDPを高められる要素は増えているとも考えられます。

世界全体の大きな流れは人口ボーナスから人口オーナスへと移り変わっていくのかもしれません。その流れには抗えなくても、私たち一人ひとりが、自分や家族の幸せのために頑張っていくこと、さまざまなことを学んで実践していけば、経済成長の持続は可能だと思います。

今後、人口ボーナスのような臨時収入的な成長は期待しにくくなるかもしれませんが、その分、時代の変化を捉えながら着実な成長が求められる時代になっていくような気がします。現実を受け止め、悲観し過ぎず、できることを着実に実行していきたいものです。

一般の個人の家計の視点で言えば、改めてライフプランをきちんと立て、ローンや保険などの家計の見直しを定期的に行い、中長期的な資産運用をきちんと考えていくことが大切でしょう。昭和や平成の時代以上に、実践しているかどうかで大きな差になるはずです。いまできることを着実に行っていくようにしましょう。

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