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コラムColumn

  • 2022.06.23
  • 投資
  • 竹川 美奈子

126ルール:積み立てたお金は何年で2倍になるか


人生100年時代において、現役時代に積立貯蓄に加えて、積立投資を取り入れる人たちが増えつつあります。例えば、2018年にスタートした「つみたてNISA」の口座数も518万1,403口座と年々積み上がっています(金融庁「NISA口座の利用状況調査」2021年12月末時点・速報値)。

長期投資のメリットは時間を味方につけることで、複利効果を享受できることにあります。その複利効果を理解するのに有効なツールとして知られているのが「72の法則」です(単利の世界だと元本が2倍になるのは「年数×利率=100」なので、72の法則はそれよりも短い期間で2倍になるのがわかります)。ただ、72の法則は一括で預金に預ける、あるいは一括で投資をしたときにお金が2倍になる期間がわかる簡便な方法です。そのため積立貯蓄や積立投資には当てはまりません。そこで、今回は72の法則の復習と、積み立てに当てはまる法則をご紹介します。

■72の法則
お金が2倍になる期間が簡単にわかる便利な方法が「72の法則」です。計算式は「72÷金利≒お金が2倍になる期間」になります。預ける・投資するお金を2倍にふやすためには、どのくらいの利率で何年投資する必要があるかが簡易にわかります。

例えば、金利が比較的高いネット銀行の定期預金でも、金利は0.2%程度です。72の法則に当てはめると、「72÷ 0.2=360」となり、元本が約2倍になるのには360年かかることがわかります。仮に3%でお金を運用できれば、およそ2倍になるには72÷3=24年となり、2倍になるまでの期間がだいぶ短くなります。現状では預金だけで3%を達成するのは難しいため、預貯金だけでなく、投資を組み合わせる必要があるでしょう。

■これから意識したいのは「126の法則」!?
もっとも、72の法則は一括で貯蓄・投資を行うという前提のもとで元本の2倍になる年数と利率(収益率)の組み合わせを簡易に求めるものです。積立貯蓄や積立投資には当てはまりません。そこで、慶応大学理工学部の枇々木規雄教授が一括投資に対する72ルール(72の法則)に対応する積立投資のルールとして提案したのが「126ルール」です(*1)。積立投資を行うという前提のもと、元本が2倍になるには「年数×利率=126」(利率は%)が成り立ちます。例えば、利率が3%であれば、126÷3=42となり、42年積み立てると積み立てたお金は元本のおおよそ2倍になるというルールです(*2)。あるいは、積み立てをしていき、42年で元本を2倍にする(元本と運用益を同程度にする)には126÷42=3%程度の運用が必要という言い方もできます。

枇々木教授は「23歳から65歳まで42年働くとして、働き始めてすぐに積立投資を始め、平均的に利率3%で投資できれば、おおよそではあるが、積立額は半分で済むと考えるとわかりやすいだろう」(枇々木, 2021,p.1)としています。このケースでは、例えば42年後に2,000万円が必要なら、平均的に3%で運用できれば、という想定ではありますが、積み立て元本は1,000万円、つまり月額2万円弱を毎月積み立てればよいことになります。
 
ここまでは積立投資を行うという前提のもと、元本が2倍になる126ルールについてお話してきましたが、枇々木氏は「利率と積立年数の積と満期額に対する積立元本合計の割合を示す簡単なルールが分かれば、積立投資がより身近な存在になるであろう」(枇々木,p.6)として、ほかのルールも紹介しています。

例えば、積み立てでお金が3倍となる(運用益が元本の2倍になる)190ルールや、積み立てでお金が1.5倍となる(運用益が元本の半分となる)76ルールなどです。先ほどの42年積み立てたケースでお金が2倍となる126ルールでは126÷42=3%程度の運用が必要でしたが、3倍になる190ルールでは平均的に4.5%程度の運用が必要。お金が1.5倍となる76ルールでは76÷42=1.81%程度の運用で目標を達成できます。

もちろん、リスクはコントロールできますが、リターンはコントロールできません。ただ、積み立てる金額や期間、運用利率がどの程度であれば、将来のお金を準備できるのかをイメージできるという意味でこのルールはすぐれています。特に、企業型確定拠出年金やiDeCo(個人型確定拠出年金)のように長期にわたる運用が前提となる場合、こうしたルールを活用してみてもよいかもしれませんね。

*1:<参考文献>「126 ルール: 積立投資の複利効果を概算する簡単な計算ルール」(枇々木規雄・2021)
*2:72ルールと同様、投資をする場合のリスクは考慮していない

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