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  • 2021.09.30
  • 投資
  • 竹川 美奈子

知っておきたい投資信託の定期解約サービス


投資信託を毎月(あるいは毎日)一定額ずつ積み立てて、資産形成を行う方法については少しずつですが、根づいてきたように感じます。2018年からスタートした、つみたてNISAの影響などもあるでしょう。それでは、積み立て投資で積み上げた資産はどのように解約すればよいでしょうか。最近、一部の金融機関では投資信託を定期的に解約していけるサービスもでてきています。

■定期解約には3つの種類がある
 投資信託を定期的に解約していくサービスには主に3つの方法があります。
・定額解約:一定金額ずつ解約していく方法
・定率解約:一定の比率で解約していく方法(受取額は変動)
・定口数解約:最終受取年月を指定して一定の口数を解約していく(受取額は変動)

1つずつ説明をしていきましょう。
定額解約は「毎月〇万円ずつ」といった形で、金額を決めて投資信託を解約していく方法です。同じ金額が解約されるので、収支を管理しやすいのがメリットです。
一方、留意点もあります。この方法だと資産形成のときには有効なドルコスト平均法(毎月一定額を買い付けることで、基準価額が高いときには少しの口数しか買えず、安いときにはたくさんの口数が買えるので、平均購入単価を安く抑えられる)の逆を行うことになります。
平均リターンが同じでも、リターンがどのような配列、どんな時期に発生するかで、その後の資産残高に大きな差がつくことを「リターン・シークエンス・リスク=収益率配列のリスク」といいますが、定額解約はこのリターン・シークエンス・リスクがあります。例えば、リタイア後、比較的早い時期に暴落に遭遇すると、まだ資産が大きいので、大きなダメージを受けます。一方、リタイア後に金融資産の引き出しを始めてから年数が経過したあとでは、資産が減っているので暴落のダメージは小さくてすみます。つまり、取り崩しをスタートした直後に相場が下落して元本が減ると、お金の減り具合が大きくなる(お金が早くつきてしまう)可能性があるのです。ただ、これは事前に予測はできません。

次に定率解約です。これは「保有残高の〇%ずつ」という形で、毎月一定比率で売却する方法をいいます。この解約方法だと「リターン・シークエンス・リスク=収益率配列のリスク」は抑えられます。
例えば、3,000万円の金融資産を初年度から5%ずつ解約すると1年に解約する金額は150万円(月12.5万円)です。ただ、運用しながら取り崩すので、評価額は変動します。投資環境がよくて3,200万円に増えている場合には解約額は160万円、逆に投資環境が悪くて2,800万円に減っているときには解約額は140万円になります。このように、「一定率」解約していく方法だと、投資環境が悪くて元本が減っているときに解約額を抑えられるので、結果的に資産が長持ちする可能性が高くなります。
ただし、毎回の受取額は変動しますし、資産の取り崩しにともなって保有残高はだんだん減っていくので、それに伴い受取額も減っていきます。取り崩しが進むと受取額は少なくなってしまうのがデメリットです。

最後に定口数解約です。「保有残高の〇口相当額」という形で、毎月一定口数を解約していきます。例えば、最終受取年月を指定して、保有する口数を解約する回数で等分した口数を解約していきます。この方法も、定率解約と同様、安いときに多くの口数を解約することは避けられますが、毎回の受取額は変動します。「いつまでに受け取る・使い切る」と決めている人にはよい方法です。受取額の変動を抑えたい場合は、値動きの小さい(リスクの低い)投資信託を選択しましょう。

定期解約サービスは一度決めたらずっと同じ方法である必要はありません。途中で変更もできるため、例えば、リタイア後すぐは定率解約で取り崩していき、70歳以降は80歳までに使い切ると決めて定口数解約をするといった方法も考えられます(80歳以降は公的年金と預貯金に頼る)。

■楽天証券はNISA口座にも対応
最近は定期解約に対応する金融機関も徐々に増えてきました。金融機関によってサービスの名称は異なります。
例えば、楽天証券は3通りの受取方法が選べます。具体的には定率を指定(0.1%以上50%以下、0.1%単位)のほか、期間指定(=口数解約のこと。最終受取年月を指定し等分した口数を解約)、金額指定(=定額解約)ができます。課税口座(特定口座・一般口座)だけでなく、NISA口座(一般NISA・つみたてNISA)にも対応しているのが特徴です。
SBI証券の「投資信託定期売却サービス」は金額を指定する方法で、1,000円以上1円単位で設定ができます。毎月、奇数月、偶数月から選択、年2回までボーナス月の設定も可能です。また、セゾン投信では自社で直接販売している投資信託を自動的に解約するサービスがあり、定口解約と定額解約の2種類から選択できるしくみです。そのほか、野村證券など大手証券会社も定期的に投資信託を解約するサービスを提供はしていますが(金額・口数指定が可能)、利用できる投資信託が一部に限定されています。
 
NISA口座対応をしているところはまだ少ないのですが、長寿化を背景に、資産の取り崩し(デキュミュレーション)をサポートするサービスはより充実していくのではないでしょうか。

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