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コラムColumn

  • 2021.02.11
  • 税金
  • 宮下 貴博

令和3度年度税制改正 ~個人の税金はこう変わる~

2020年12月に令和3年度税制改正が公表されました。今回の改正は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、打撃を受けている個人への負担軽減に重点が置かれています。私たち個人に関わりのある改正についてご案内いたします。

 

1. 住宅ローン減税の特例措置の2年延長
住宅ローン減税で通常より3年延長される特例措置の期限が、2022年12月末まで延長されます。
そもそも住宅ローン減税とは、マイホームを新築、増改築等をした場合に、居住開始年から10年間に渡って、所得税額から年末のローン残高の1%を差し引いてくれる制度です。さらに2019年の消費税増税のタイミングで、消費税引き上げによる負担増をカバーする特例として控除期間が3年間プラスされました。この特例を使える方の入居期限が2020年12月末まででしたが、本改正により2年間延長となります。

 

また、住宅ローン減税の対象となる物件の拡大を図るため、床面積の要件が「50平方メートル以上」から「40平方メートル以上」に緩和されます。これにより、今までは対象とならなかった小規模マンション等を購入する方も対象となります。ただし、「40平方メートル以上50平方メートル未満」の物件については、所得制限を1,000万円以下と厳しくなります。

 

■今後の更なる改正
令和4年度(2022年度)税制改正に議論は持ち越されましたが、年末時点のローン残高の1%を所得税から差し引く現在の仕組みについて、低金利が続く中、1%を下回る金利でローンを組めば、利息よりも多くの控除が受けられるという構造への指摘も取り上げられました。簡単にいうと、年間の支払利息額が年末ローン残高の1%より小さい場合、控除額を1%未満に変更される可能性があるということ。

 

低金利が続く中、現在、住宅ローンを新規契約した場合、変動金利は軒並み年1%を切っています。今後、本制度改正が実行された場合、金利1%未満の契約でローンを組んでいる方の控除額は減少し、実質的な負担が増える方向となるでしょう。

 

2.固定資産税が据え置きへ
2021年度の固定資産税は1年限りの特例として2020年度の税額で据え置かれます。対象は、商業地や住宅地、農地など、すべての土地です。

 

本来、固定資産税は3年に一度、評価替えが行われます。2021年度は評価替えの年にあたり、基準は2020年1月1日の公示地価です。しかし、1月はまだ新型コロナウイルス感染症拡大前であったため、7月の基準地価を見ると、三大都市圏や地方圏の一部を除き、全国的には下落に転じています。すなわち、実勢価格は下がっているのにもかかわらず、評価額の上昇で、固定資産税評価額が上がってしまう可能性があるのです。
この状況を踏まえ、固定資産税が増税になる場合、2021年度の税額は2020年度と同額に据え置き、減税になる場合はそのまま引き下げられます。

 

3.セルフメディケーション税制の延長
2021年12月末の期限が5年間延長され2026年12月末までとなります。
セルフメディケーションとは、病院などにかからず、軽度な身体の不調は自分で治すことを目的としています。この制度では、予防接種や健康診断の受診など健康のための一定の取組を条件に、指定された市販の薬の購入代金が1世帯当たり年間で1万2,000円を超えた場合、その分が課税対象の所得から差し引かれ、所得税や住民税が軽減されます。また確定申告の際の提出書類も、自宅保管を原則とし、税務署から提示を求められた場合のみの提出で済むように、手続きが簡素化されています。

 

4.税務関係書類の押印義務の見直し
確定申告書をはじめ、認印で可とされてきた書類への押印は廃止となります。
一方、遺産分割協議書など、実印と印鑑証明が求められていた書類についてのみ押印は継続されます。

 

今回の改正は、新型コロナウイルス感染症の収束が不透明な中、全体として家計負担を抑えながら、景気回復を見込む意図が感じられます。

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