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執筆者プロフィール
- ファイナンシャル・ジャーナリスト
- LIFE MAP,LLC代表
- 2026.01.22
- 投資
2027年から「こどもNISA」スタート予定
2025年12月19日に「令和8年度税制改正大綱」が公表されました。NISA(少額投資非課税制度)の拡充についての記載もありました。今回はそのうちの1つ、「こどもNISA」の概要と活用法について考えていきます。
●こどもNISAの概要
こどもNISAの概要は次の通りです。
〇スタートは2027年(予定)
〇対象者:0歳~17歳(その年の1月1日時点で18歳未満の人)
〇利用できるのは「つみたて投資枠(未成年者特定累積投資勘定)」のみ。
〇購入できるのは成人NISAの「つみたて投資枠」と同じ商品
〇年間投資枠の上限:60万円
〇非課税保有限度額(0歳~17歳):600万円
〇保有する資産は成人NISA(つみたて投資枠)に持っていける
こどもNISA口座では成長投資枠は設定されず、利用できるのは「つみたて投資枠(未成年者特定累積投資勘定)」だけです。2025年12月19日現在、対象商品は347本。指定された指数に連動するインデックスファンドが279本、指定された指数以外の指数に連動するインデックスファンドやアクティブファンドが59本、そしてETFが9本となっています。
こどもNISAについては、金融機関の変更ができない予定です(成人NISA移行後は変更可能)。「つみたて投資枠」で積み立てできる商品は金融機関ごとに異なるため、事前に確認した上で、口座開設を検討しましょう。ジュニアNISAと、こどもNISAは別扱いとなるため、すでにジュニアNISA口座を開設している場合でも、「こどもNISA口座」は開設できます。また、口座開設にあたってはジュニアNISAと同じ金融機関でも、別の金融機関でもよいとのこと。
●引き出し制限はあるが、ジュニアNISAよりはゆるい
こどもNISAですが、1月1日時点で18歳になる日の前日までは原則払出しはできません。ただ、例外として、12歳(3月31日において12歳である年の前年以前の各年)より前は災害等の理由であれば、資産を引き出すことが可能です。
また、12歳(3月31日において12歳である年以後の各年)を過ぎると、災害だけでなく、学校の入学金や授業料など教育費目的であれば、資産を引き出すことができます。手続きは親権者が行い、子の同意を得たことを証明する書類を添付することが条件です。小学校6年生以降、中学校や高校などでかかる教育費に使いたい場合には、積み立ててきた投資信託を活用して教育費に充てることができる、というイメージです。
2016年にスタートし、2023年をもって廃止になったジュニアNISAは当初18歳になるまで引き出し制限がありました(それより前に払い出すとさかのぼって課税される仕組みでした)。ジュニアNISAの廃止に伴い、2024年1月以降は払い出し制限解除され、何歳でも引き出しが可能となり、課税もされなくなりました。ただ、一部の金融商品を売って引き出して使うことはできません。すべての金融商品を売り、口座を廃止する必要があります。
今回のこどもNISAは教育目的での引き出しであれば、口座を廃止することなく、一部の金融商品を売って、引き出しができる見通しです。
成人(1月1日時点で18歳)になると、自動的に同じ金融機関にNISA口座が開設されます。そして、こどもNISA(未成年者特定累積投資勘定)と、成人後のつみたて投資枠(特定累積投資勘定)・成長投資枠(特定非課税管理勘定)の簿価の合算額がNISAの非課税保有限度額1,800万円を超えない範囲でNISAを利用することになります。
●家族全体で資金用途の整理とリスク管理が必要
こどもNISAの活用にあたっては、18歳になるまで「災害等」と「教育費」以外の目的で原則引き出せないので、無理のない資金計画を立てる必要があります
・今、何歳か
・目的は何か
・運用できる期間は何年あるか
・ほかの口座状況(ジュニアNISA、未成年口座=課税口座)
・両親の口座状況(NISAなど)
例えば、お子さんが1歳で、18歳になるまで投資を継続したい(成人NISAに持っていきたい)ということなら、長期の運用になりますから、株式に投資をする投資信託を淡々と積み立てていけばよいかもしれません。
ただし、NISA口座で投資信託の積み立てをするということは投資であり、価格は変動します。過去にも、株式投信を10年積み立ててもマイナスになることはありました。ですから「数年後に必ずいくら必要」と決まっているものには向きません。結果的にふえていれば、一部使うという選択肢はありますが、その場合でも厚めに現預金は持っておく必要があります。
このため、こどもNISAだけですべての教育費を賄おうとするのは避けたいところです。個人向け国債や学資保険などと組み合わせて活用していくことも検討しましょう。また、教育費については親御さんのNISAの一部を活用してもよいでしょう。成人NISAはどんな用途でも利用できます。いずれにしても、家族全体で、資金をどう準備するか、使っていくかを考えましょう。
そのためには、将来の資金需要を予想し長期で投資できるお金で投資することが大切です。こどもNISAは2027年からスタートする予定です。将来のライフイベントや予算などを整理して、どのくらい利用するのかを今から整理しておくとよいでしょう。
※2025年12月末の情報に基づいて執筆したものです。