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2割対象者が拡大に!?介護費用に備える「介護保険サービス活用術


2025年に団塊世代が後期高齢者(75歳以上)になった日本。労働人口の減少による介護人材不足の問題もあり、解決策として検討されているのが「2割負担対象者の拡大」です。現在は全体の約80%が1割負担で利用できる状態ですが、2割負担の割合を増やそうと所得等の要件を見直す審議が行われています。2027年度制度改正に盛り込まれる可能性が高まるなか、効率よく介護保険サービスを利用する上でのポイントを5つ紹介します。

【1】地域包括支援センターに相談する
地域包括支援センターは40歳以上が収めている介護保険料等で運営される高齢者の総合相談窓口です。社会福祉士、主任介護支援専門員、保健師等の資格をもっている方が相談員となり、介護保険や自治体独自の高齢者支援サービス、成年後見制度等の知識をもって応対してくれます。相談料は無料で予約も可能です。

家族に介護が必要になったら、介護が必要な家族が暮らすエリアを管轄する地域包括支援センターに相談しましょう。検索エンジンで「市区町村名 地域包括支援センター」で検索すると、電話番号や住所が確認できます。

【2】相談前に「何に困っているか」を整理する
地域包括支援センターに相談する前に必ずやっておいてほしいのは、状況の整理です。

・要介護者の家族構成(誰と暮らしているか、配偶者や子供の有無、支える家族の介護に取り組める状況等)
・要介護状態(足腰が弱く移動が困難、認知症傾向がある、身の回りのことができなくなり不衛生等)
・要介護者の持病や病歴
・支える家族の状態(遠方に暮らしている、同居しているが日中は働いている、経済的な支援は困難等)

ひとりで何とかしようとするのではなく、家族等への聞き取りを行った上でまとめましょう。同居の家族はもちろん、別居の家族、親戚、知人等、介護に協力してくれそうな人にどんなことをどれだけ協力できるかを確認することで、介護保険サービスで補うべきサポートが見えてきます。周囲の協力で乗り切れるところはお願いする、埋められないところは介護保険サービスなどで対処すると考えると、介護費用を抑えることができます。

【3】ワンオペ介護に役立つ介護保険サービス
親子や夫婦など二人暮らしの場合、同居する家族の精神的・肉体的負担が大きく、仕事等で外出しているときに誰がお世話をするかなど、様々な問題が生じます。ワンオペ介護で役立つ介護保険サービスを3つ紹介します。

★デイサービス(通所介護)
ワンオペ介護でもっとも多く利用されているのは「デイサービス」です。介護保険の対象となる日帰りで利用できる介護施設で、専門スタッフのサポートのもと、体操などで手足を動かしたり、食事をしたり、入浴をしたり、おしゃべりしたりすることができます。

利用時間は9時頃~17時頃が一般的ですが、入浴だけの半日利用や19時、20時など遅い時間まで延長できるところもあります。遅い時間まで預かってもらう場合、昼食だけでなく夕食も用意することになるので対応できる施設は少ないのが現状です。また、延長できたとしても、送迎はできないと言われることが多いです。

デイサービスの食事代やレクリエーションにかかる材料費などは介護保険の対象外となるため、別途実費が必要になります。また、長時間利用だと上乗せサービス(介護保険の上限額を超過した利用は100%自己負担)となり、利用料が高くなります。要介護状態や介護者の勤務形態、勤務先の介護制度を考慮した上で、利用時間は慎重に決めましょう。

★ショートステイ(短期入所)
ショートステイは老人保健施設や特別養護老人ホーム等に短期間入所して、日常生活上の支援や機能訓練などが受けられるものです。連続30日まで利用できるので、平日はショートステイ、休日は自宅で過ごすなどの利用が可能です。残業やシフト勤務など、規則的に施設の利用時間を固定できない場合に利用すると便利です。

ショートステイは特別養護老人ホーム等と同じく、介護保険サービス利用料(1~3割)の他に食費、居住費、日常生活費がかかります。利用料がいくらになり、それを払い続けることができるかを確認した上で契約しましょう。

★小規模多機能型居宅介護
認知症の場合にまず検討するとよいのが「小規模多機能型居宅介護」です。デイサービス、ショートステイ、訪問介護を組み合わせて利用できるので、認知症の進行状況や介護者であるご家族の状況などに応じてフレキシブルに介護サービスを利用できます。たとえば、通常は平日デイサービスを利用し、出張などで家を空けるときはショートステイを利用するといった活用も可能です。認知症の方は環境の変化に弱いので、どのサービスを利用しても顔なじみのスタッフが対応してくれるのは安心です。

【4】できる限り自宅で過ごしたいと言われたら
身体が不自由になっても、住み慣れた自宅で可能な限り過ごしたいという場合は「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」を利用しましょう。筆者は末期がんの夫を看取った際にこのサービスを利用し、とても助かりました。

★定期巡回・随時対応型訪問介護看護
決まった時間帯に自宅にヘルパー等が訪問し、入浴、排せつ、食事などの介護等が受けられる介護保険サービスです。緊急ブザー(簡易スマホ等)が貸与され、倒れて動けなくなったり、急に具合が悪くなったりした時などにそれを押すと、電話で話せたり、緊急性の高い場合は救急車の手配などをしてくれます。

定期的な訪問は、平日の日中だけでなく、夜間や土日祝日も利用できます。

たとえば、
3時頃:トイレ介助
12時半頃:昼食とトイレ介助
15時頃:トイレ介助
18時頃:夕食介助
を1日の基本スケジュールとし、月曜と木曜の15時は入浴介助のように、曜日によるアレンジもできます。

料金は要介護区分により異なりますが、月額制で訪問回数にかかわらず定額です。夫の場合、できないことが日に日に増えていったので、介助内容を適宜変更してもらい、夜間のシーツ交換が疲れと寝不足でできず、緊急ブザーでヘルプをお願いしたこともありました。「30分後に到着しますので、奥様は休んでください」と言われ、救われました。

【5】介護費用が捻出できないときは
介護が必要な親の年金・資産が少なく、費用を捻出できない場合は在宅介護にこだわるよりも、親が生活保護を受けることを前提に世帯分離して公的施設に入所する方法があります。ケアマネジャーか地域包括支援センターの相談員に、家計の状況がわかる資料を持参して相談しましょう。

介護保険の利用料を抑えるには、利用する本人や家族の状況を正確に伝え、最も困っているところをカバーできるサービスを中心に利用することが重要です。地域包括支援センターの相談員やケアマネジャー(ケアプランをつくる担当者)と話し合って、賢く活用しましょう。

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