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高市首相が言及した「給付付き税額控除」とは?


先日、女性初の内閣総理大臣となった高市首相が自民党総裁選の時から「給付付き税額控除」の制度導入を主張していましたが、その後の所信表明演説でも物価高対策として早期に給付付き税額控除の制度設計に着手すると述べていました。今回はその「給付付き税額控除」の制度について解説します。

給付付き税額控除ですが、税・社会保険料負担で苦しむ中・低所得者の負担を軽減し、所得に応じて手取りが増えることを目指しているものです。実は給付付き税額控除は欧米ですでに実施されている国々があります。目的は、子育て支援や就労支援など国によって異なります。給付付き税額控除については大きく2つの仕組みがあります。

1.基本的には税額控除だが、控除しきれない額は給付。控除額は所得の増加に従って増加し、一定の上限に達した後、減少。(代表例:米国)
2.基本的に全額給付であり、所得が一定額超えると給付額が減少。(代表例:英国)

日本では、上記のどちらの仕組みが採用されるかは不明ですが、それぞれの仕組みでどのように給付付き税額控除が実現されるかシミュレーションしてみましょう。便宜上、住民税非課税世帯、低所得世帯、中所得世帯、高所得世帯に分けて、それぞれ考えてみます。

1.のケース(基本的に税額控除)
ここで、最大の税額控除が10万円とします。

●住民税非課税世帯
税額控除ができないため、10万円が給付されます。
●低所得世帯
所得の増加により控除額が増加します。控除しきれない分として(10-税額控除分)万円が給付されます。
●中所得世帯(所得税額10万円以上)
10万円分の税額控除が行われます。
●高所得世帯
所得の増加に伴い、税額控除が減少します。所定の所得以上は、税額控除はありません。

2.のケース(基本的に全額給付)
ここで、最大の給付額を10万円とします。

●住民税非課税世帯
10万円が給付されます。
●低所得世帯
10万円が給付されます。
●中所得世帯
10万円が給付されます。
●高所得世帯
所得の増加に伴い、給付額が減少します。所定の所得以上は、給付はありません。

 以上が給付付き税額控除のシミュレーションでした。どちらの仕組みにしても中所得世帯と高所得世帯の分かれ目がどこになるか、税額控除(または給付)が行われない所得がどこからになるかは今後の国会の議論次第になります。なお、給付付き税額控除のメリットとしては以下が挙げられます。

●支援を必要としない高所得世帯への税額控除かつ給付がない。
●税額控除できない場合は給付されるため、住民税非課税世帯にも恩恵がある。

給付付き税額控除については日本でも過去に検討されてきましたが、国民の所得把握が難しいという理由で避けられてきました。ただ、日本においてマイナンバー制度ができたことにより国民の所得把握ができる土台はできています。あとは上記でシミュレーションしてみたように、どのように給付付き税額控除の制度設計を行うかです。

今後、給付付き税額控除の仕組みがどうなるか進むかは国会における議論で具体的になってくると思われます。11月下旬には、給付付き税額控除の導入を巡り、自民党、立憲民主党、日本維新の会、公明党の4党で近く協議すると合意しました。また、高市首相は給付付き税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革について、超党派で有識者も交えた国民会議を設置する考えを示しています。今後、国会の動きに注目していきましょう。また、給付の場合、マイナポータルで公金受取口座の登録をしておくと、給付金を受け取るまでの期間短縮が期待できます。ちなみに、国や自治体の給付金を受け取る公金受取口座の登録数は今年の7月には6,300万口座に達しています。今のうちに確認しておきましょう。

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