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コラムColumn

  • 2019.01.17
  • 投資
  • 栗本 大介

相場急変時に慌てないことの大切さ

2018年の日経平均株価は年間12.1%のマイナスで、2011年以来7年ぶりの下落となりました。特に、11月末からの1ヶ月間だけで10.5%もの急落だったこともあり、改めて株式投資の怖さを感じた方もいらっしゃるでしょう。また、ここ数年で新たに株式投資を始めた方にとっては、年間で下落する初めての場面に遭遇したことで、今後の継続に不安を感じられたかもしれません。

■短期的な相場の急落を気にしない
企業型と個人型を併せた加入者が700万人を超えた確定拠出年金制度に加え、2018年1月1日からはつみたてNISA制度もスタートしました。将来に備えた資産形成手段として、これらの制度を利用されている方は、毎月の積立額(=掛金)を決め、積み立てたお金を自分の判断で運用し、その結果貯まったお金を将来年金や一時金で受け取れます。
これらの制度を利用して積立投資を行っている場合、短期的な相場の急変を気にすることはないでしょう。相場が急落した場合、手持ちの資産価格は下落するものの、価格が下がったタイミングでも新たな積立を継続していれば、平均の買付単価が低下し、その後の上昇局面での利益が出やすくなることが背景にあります。

■ドルコスト平均法のメリットとデメリット
このように、相場の変動に関係なく一定額の積み立てを継続することで「平均買付単価」を引き下げる効果を発揮する手法をドルコスト平均法と呼びます。
例えば、毎月10,000円の積立を行うとしましょう。この場合、購入対象株の単価(=株価)が10,000円の時には1株買えますし、5,000円の時には2株買えます。また、株価が20,000円の時には0.5株しか買えません。結果として、「株価の安い時にたくさん買って、株価の高い時にはあまり買わない」状態を自然に作れるのです。
仮に、今説明した「10,000円、5,000円、20,000円」の株価で、毎回10,000円ずつ投資したとすると、投資金額の合計は10,000円×3回で30,000円。購入した株数は3.5株ですから、平均買付単価は8,571円(=30,000円÷3.5株)となります。株価が10,000円だった最初に30,000円すべて購入した場合の平均買付単価は10,000円ですから、売却する時の株価が9,000円だった場合、積立購入だと利益が出て、一括購入だと損失が出ます(手数料や税金は考慮しない。以下同様)。これがドルコスト平均法のメリットと言われるものです。

ただし物事には必ず両面があり、ドルコスト平均法にもデメリットはあります。
先ほどの例で、株価の動きが、10,000円→20,000円→10,000円となり、売却時の株価が12,000円だったとしましょう。一括購入だと、買付単価10,000円ですから1株当たり2,000円、合計6,000円の利益が出ます。一方、積立購入だと、10,000円で1株、20,000円で0.5株、10,000円で1株ですから、積立合計額30,000円で株数は2.5株。平均買付単価は12,000円となっているため損益は0円です。つまり、ドルコスト平均法で積み立てをしていても、積立期間中の相場の動きと最終的な売却価格によって損失となるケースがある点は、忘れないようにしましょう。また、そもそもの相場が「長期的に右肩下がり」であれば、どのような手法でも利益を出せない点も理解が必要です。

■ベストな売買タイミングはわからない
世の中には万能な投資手法など存在しません。預貯金金利以上のリターンを得ようとすると、それに応じたリスク(不確実性)が必ずついてきます。大切なのは、こうしたリスクとリターンの関係を理解した上で、利用する制度のメリットとデメリットを把握することです。シミュレーションは、条件の設定次第で、どちらか一方を有利に見せることが容易にできてしまいます。様々な制度ができ、資産形成の選択肢が増えることは望ましいものの、万能に見えるような説明が出てきた場合には、この制度のデメリットは何か?」という視点でチェックすることは大切です。
いずれにしても、株式市場では、今回のような相場の急変が定期的に訪れます。そのたびに、短期的な変動に惑わされないことの大切さが説かれますが、自分の資産残高が減っている状況に不安が募るのはやむを得ません。とはいえ、投資商品を保有している以上は避けられない状況でもあります。価格が変動する金融商品のベストな売買タイミングは誰にもわからないからこそ、投資対象の分散と購入のタイミングの分散が大切となるのです。相場急落時に慌てて積み立てを止めてしまったり、解約したりすることのないよう、気を付けたいものです。

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