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執筆者プロフィール
- CFP認定者
- 1級FP技能士
- 1級DCプランナー
- 住宅ローンアドバイザー
- 確定拠出年金教育協会 研究員
- アクティブ・ブレイン・セミナー マスター講師
- 2026.08.13
- 投資
個人向け国債「固定5年」が初の2%台!変動10年とどう選ぶ?
5ヵ月ほど前に、「第1143回 金利が10倍に上昇!債券、そろそろ見直しませんか?」という記事を書かせていただきましたが、その後さらに金利が上昇してきました。
2026年8月募集分の個人向け国債の金利は、
変動10年が年1.87%
固定5年が年2.06%
固定3年が年1.71%
(いずれも税引前)となりました。
なかでも固定5年は、2006年の登場以来、初めて2%台に乗りました。
大手銀行の5年定期預金では高いところで年1.0%程度。
仮に預入金額が100万円なら、1年間の利息は、
年2.06%だと、税引前2万600円(税引後1万6,416円)
年1.0%だと、税引前1万円(税引後7,969円)
です。
定期預金の2倍以上の利息がもらえます。
では、個人向け国債なら「固定5年」がベストか。冷静に考えてみましょう。
▼「10年」とあっても10年間動かせないわけではない
個人向け国債は、日本の国が発行する個人向けの国債です(ちなみに、12月募集分から一定の法人も買えるようになる予定です)。
1万円から購入でき、「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類があります。
利息は年2回支払われ、いずれも年0.05%の金利が最低保証されるようになっています。
大きな特徴は、中途換金の仕組み。
一般の国債は、満期前に換金しようとすると、市場価格によって売却することになり、場合によっては元本割れすることがあります(逆に、値上がりによる利益が得られる場合もあります)。
一方、個人向け国債は、原則として発行から1年経過後であれば、国が額面金額で買い取ります。そのため、価格変動による元本割れはありません。
ただし、中途換金の際、直前2回分の利子(税引後相当額)が手数料として差し引かれます。また、最初の1年間は原則として換金できません。したがって、日々の生活費や、急な出費に備える緊急予備資金を置く場所には適していません。
なお、個人向け国債は、NISAの対象外ですので、NISA口座の中で買うことはできません。利息に対しては、所得税15.315%(復興特別所得税含む)と、住民税5%がかかるようになっています。
▼なぜ「10年」より「5年」のほうが金利が高い?
8月の金利を見ると、変動10年の1.87%より、固定5年の2.06%のほうが高くなっています。「期間が短いのに、なぜ?」と思う人もいるかもしれませんが、理由の一つは、金利の決まり方にあります。
変動10年は、10年国債の利回りをもとにした基準金利(8月は2.83%)に0.66を掛けて金利を決めます。一方、固定5年は、5年国債の利回りをもとにした基準金利(8月は2.11%)から0.05%を差し引いて決めます。
基準となる市場金利の期間も、適用金利を求める計算方法も違うため、今回のように固定5年の金利が変動10年を上回ることもあるわけです。
▼じゃあ変動10年と固定5年、どっちを選ぶべき?
変動10年は、半年ごとに金利が見直されます。今後さらに市場金利が上がれば受け取る利息が増える可能性がある一方、金利が下がれば利息も減ります。「これからも金利が上がる可能性に備えたい」という人には選択肢になるでしょう。
一方、固定5年は、購入時の金利が5年間変わりません。「今の2%程度の金利を5年間確保できれば十分」と考えるなら、固定5年にも魅力があります。
ただし、将来の金利を正確に予測することはほぼ不可能です。どちらにするのかを迷うのであれば、例えば資金の半分を変動10年、残り半分を固定5年に分けるのもひとつの方法です。また、個人向け国債は1万円単位で購入できるので、細かく分けることも可能です。買うタイミングを分けて、毎月買っていくのもアリでしょう。
▼「どれを買うか」より「どんなお金を置くか」
なお、最も大切なのは、個人向け国債のなかでどれを選ぶかよりも、「そのお金をいつ使うのか」を考えたうえで、資金の性格に応じて買う商品を決めることです。
近いうちに使うお金や緊急予備資金は、すぐに引き出せる預貯金。1年以上使う予定がなく、安全性を重視したいお金は、定期預金や個人向け国債。10年、20年先に向けて増やしていきたいお金は、NISAやiDeCoを活用し長期・積立・分散投資をしていくというように、目的に応じて置き場所を分けて考えましょう。
個人向け国債は、大きくお金を増やすための商品というより、しばらく使わないお金を安全性に配慮しながら置いておくための商品です。
「固定5年が2%を超えたから買う」と金利だけで判断するのではなく、まずは「このお金はいつ使うのか」を考えることが重要でしょう。

