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「債券は手数料無料」は本当?米国債を自分で売買して確かめてみた


証券会社や銀行などで債券を購入する際、「手数料はかかりませんよ」と言われた経験のある人もいるのではないでしょうか。たしかに、取引報告書を隅々まで確認しても、「手数料」という項目はどこにも見当たりません。株式や投資信託には売買手数料や運用管理費用が明示されているのに対し、債券は一見、コストゼロで売買できるように見えます。

しかし、本当にコストがかかっていないのかというと、実は、債券の売買には「スプレッド」と呼ばれる、目に見えにくいコストが存在しているのです。

▼金(ゴールド)で考えるとわかりやすい

同じ日の同じ債券でも、投資家が「買うときの値段」と「売るときの値段」は違います。この仕組みが目に見えるかたちになっている商品の代表例が、金(ゴールド)です。

貴金属店のサイトを見ると、「販売価格」と「買取価格」が毎日並んで表示されていて、必ず販売価格のほうが高くなっています。この価格差が業者の利益、つまり実質的な手数料です。「購入手数料」という項目がなくても、業者はきちんと利益を得る仕組みになっているのです。

債券もこれと同じです。ただ、金と違って、債券のスプレッドの幅は公表されていないケースが多く、証券会社に聞いてもはっきり教えてもらえないのが実情です。だったら、自分で売買して調べればいい。そう考えて、今回、実際に自分のお金で米国債を売買してみました。

▼実際に米国債を売買してみた結果

今回売買したのは、満期まで残り4~5年の米国債2種類です。ひとつは、利息がつかない代わりに額面より安い価格で取引される「ストリップス債」(割引債)。もうひとつは、定期的に利息がつく「利付債」です。買値と売値を確認できるように、数日前に買っておいた米国債を売却し、同じ日に同じ銘柄を買い直してみました。

楽天証券での結果は、ストリップス債が買い単価83.86に対して売り単価82.76で、差は1.10。利付債は買い単価101.01に対して売り単価99.76で、差は1.25でした。また、為替レートにも、買い160円30銭に対して売り159円80銭と、50銭の差がついていました。

SBI証券でも同様に売買したところ、利付債は買値100.23に対して売値99.09で、差は1.14でした。SBI証券では、もともと保有していた米ドルで買い、売却後もドルのまま受け取ったため、為替手数料はかかっていません。それでも債券価格だけで、率にして1%強の差がありました。楽天証券もSBI証券も、債券価格のスプレッドは1%強という水準だったわけです。

▼「無料」という言葉を鵜呑みにしない

「手数料無料」と言われる債券にも、今回の取引では、往復で1%を超えるコストが価格の中に含まれていました。仮に1,000万円分の米国債を買ってすぐに売れば、10万円以上が目減りする計算です。さらに、円で買って円で受け取る場合には、為替のスプレッドも上乗せされます。

もちろん、これは債券投資そのものを否定する話ではありません。満期まで保有すれば途中売却のコストは発生しませんし、購入時のスプレッドを含んだ価格をもとに利回りを確認し、納得したうえで買うのであれば問題ないでしょう。

重要なのは、「手数料」という項目が見当たらなくても、コストは必ずどこかに存在しているという事実を知っておくことです。

金融商品に限らず、「無料」という言葉の裏側には、必ず何らかの収益の仕組みがあります。表面的な言葉に惑わされず、見えないコストにも目を向けられる賢い消費者を目指していくことが重要でしょう。

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