コラムColumn
執筆者プロフィール
- CFP認定者
- 1級FP技能士
- 1級DCプランナー
- 住宅ローンアドバイザー
- 確定拠出年金教育協会 研究員
- アクティブ・ブレイン・セミナー マスター講師
- 2026.06.04
- 投資
株式市場は平成バブル期並みの活況!まだ上がる?もう下がる?
日経平均が上昇しています。2026年5月の終値は、6万6,329円50銭でした。月間上昇幅が過去最大(+8,221円)となった4月に続く大幅高(+7,044円)となり、終値ベースでも史上最高値を更新しました。
主な背景には、中東情勢への警戒感の後退や、AI関連銘柄への資金流入が大きいと考えられています。
▼平成バブル期以来の「買われすぎ」水準に
現在の株価水準が、「買われすぎ」なのか「売られすぎ」なのかを見る際に、株価チャートの移動平均線からの乖離(かいり)率を見る手法があります。
今回、2026年5月末時点で、1989年の平成バブル期以降の月足チャート(=1ヵ月の値動きを1本のローソク足にしてつなげて長期トレンドを見るもの)と、2年・5年・10年の移動平均線(=過去一定期間の終値の平均値をつないだ線)を比べてみました。
2026年5月末現在
日経平均株価 終値 6万6,329円50銭
2年移動平均線 4万4,577円35銭 乖離率+48.8%
5年移動平均線 3万5,970円91銭 乖離率+84.4%
10年移動平均線 2万8,889円50銭 乖離率+129.6%
5年移動平均に対する乖離率+84.4%というのは、1989年2月の+72.1%以来の高い水準で、当時の水準をすでに超えています。10年移動平均に対する乖離率+129.6%というのも、1990年2月の+134.2%以来の高い水準です。
つまり、現在の株価の上昇ペースは、36、37年前の平成バブル期以来の「買われすぎ」の水準に来ているとも言える状況なのです。ハッキリ言って、この数字だけを見ると、今の株式市場は「AIバブル」と呼んでもおかしくないかもしれません。過去の経験則からすれば、いつ暴落が起きても不思議ではない水準です。
▼日本以上に目立つ、韓国・台湾株の急上昇
ちなみに、株式市場の規模TOP10に入っている主要国のここ1年の株価上昇率を比べてみると、以下のとおりでした。
順位 国・地域 代表指数 1年騰落率の目安
1 韓国 KOSPI +211.6%
2 台湾 TAIEX +108.8%
3 日本 日経平均株価 +74.7%
4 カナダ S&P/TSX総合指数 +34.3%
5 米国 S&P500 +28.1%
6 中国 CSI300 +27.4%
7 英国 FTSE100 +17.8%
8 香港 ハンセン指数 +9.7%
9 フランス CAC40 +5.5%
10 インド Nifty50/Sensex ▲6.9%
日本の日経平均株価の上昇率もすごいのですが、台湾のTAIEXや韓国のKOSPIのほうが、さらにバブル感が際立っているように感じます。仮に、韓国と同じように日経平均が1年前の3倍以上に上がっていたとすると、日経平均はすでに11万円を超えていておかしくない計算になります。そのくらい尋常ではないペースで韓国の株価が上がっているということです。
とはいえ、今回の上昇相場を単純に「ありえない」「バブルだ」と決めつけるのも危険です。というのも、企業や消費者のAIに対するニーズは非常に強く、半導体、データセンター、クラウド、ソフトウエアなど幅広い分野で実需が広がっています。だとすると、AI関連企業への期待は、まだ盛り上がり始めたばかりかもしれないのです。
確実に言えることとしては、今の株式市場がバブルなのかどうかは、後で振り返ってみて初めてわかることで、今の時点では誰にもわからないということです。それこそ、AIがどんなに進化しても、株価の高値のタイミングを的確に当てたり、暴落のタイミングを的確に予測したりすることは、ほぼ不可能でしょう。
▼金利上昇と円安も、相場の転換点になるか
また、その一方で、30年国債や40年国債の利回りが4%台になり、長期金利(10年国債の利回り)も3%に近づいています。円安傾向も止まる気配がありません。
一般的には、ある程度金利が上がってくると、リスクを取ってまで株式投資をするよりも、安定的な債券で一定の利回りを確保したいと思う投資家が増えていきます。そして、為替リスクを取ってまで外国で運用するよりも、安全な円建ての債券で運用しようとする投資家も増えていきます。
そう考えると、そろそろ株式市場も調整局面を迎えるのとともに、円高傾向になってもおかしくないと言えるわけです。しかし、マーケットは必ずしも教科書どおりの動きになるわけではありません。セオリーを知りつつも、常にセオリーどおりに動くわけではないことを知っておくのがよいでしょう。
なお、資産形成のために長期・分散・積立投資をしている人は、マーケットの動きに一喜一憂することなく、「とにかく続けること」が最重要事項であることを忘れずに。「果報は寝て待て」です。

