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NISAの改正でよくある誤解2つ


セミナーでの質問などを通じて、NISA(少額投資非課税制度)に関する誤解があるな、と感じることがあります。今回は代表的なもの2つをご紹介します。

誤解1:投資信託や上場株式を売ると非課税投資枠が年内に復活する

A:復活しません。

これは、金融庁が昨年(2025年)だした「令和8年度税制改正要望」で、「投資商品の入れ替えをするための、非課税保有限度額の当年中の復活」を挙げていたからだと思われます。

しかし、「非課税保有限度額の当年中の復活」は見送りとなりました。そのため、現状ではNISA口座で投資信託や上場株式を売っても、売った分(簿価)の非課税枠がすぐに復活し、その年に(その非課税枠を使って)投資できるわけではありません。

ここで整理しておきたいのは、NISA制度では「非課税投資枠」が2つ存在することです。

・年間非課税投資枠
・非課税保有限度枠(総枠)

「年間投資枠」は1月~12月までの1年間に利用できる非課税枠のことで、年間360万円(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)が上限です。一方の「非課税保有限度枠」は、NISA口座利用者が一生涯に利用できる総枠のことで、1,800万円が上限です(成長投資枠の利用は1,200万円まで)。

このうち「年間非課税投資枠」については、投資信託や上場株式などを売却しても、復活しません。投信などを売ろうが、売るまいが、その年も、翌年も、投資できるのは年間360万円(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)まで、です。

では、NISA口座内で、投資信託や上場株式を売った場合、何が復活するのかといえば、「非課税保有限度枠(総枠)」です。つまり、総枠である1,800万円の枠を埋めたとしても、投資信託や上場株式などを売った場合、その分の枠(簿価)が空いて、再び空いた分の非課税枠を利用できますよ、ということです。

空いた枠はすぐに使えるわけではなく、利用できるのは翌年以降になります。また復活する非課税投資枠は、売った金額(時価)ではなく、買ったときの金額(簿価)です。ですので、総枠(1,800万円)を埋めるまでは、非課税枠の復活・再利用ということを意識する必要はありません。枠を埋めるまでは、淡々と投資を続けていけばよいでしょう。もちろん、その前に資金が必要になったときには一部を解約して使うこともできます。

非課税保有限度額(総枠)は利用者ごとに、国税庁で一括管理されています。「この人は総枠のうち、ここまで利用しているな」ということを把握しているわけです。複数金融機関に商品を保有する利用者については、その非課税保有限度額はすべて合算して管理されます(NISA口座はその年に稼働している=買付できる口座は1社ですが、金融機関変更した場合には前の金融機関のNISA口座で運用を継続することは可能)。

これまで金融機関を変更した場合などは、非課税保有限度額の把握にそれなりの時間がかかりました。ただ、2026年1月からは金融機関がもつNISA簿価残高情報を国税庁が認定したクラウドサービスを利用して提出することが義務化されています。こうしたサービスなどが整備されてくれば、将来的には非課税保有限度枠(総枠)が復活するのは「翌年」以降という点が改善されていく可能性もあります。

●誤解2:「つみたて投資枠」で債券ファンドが買えるようになる

A:買えません。

「つみたて投資枠」の対象は、株式に投資をする投信か、株式を含むバランス型が対象で、債券だけに投資する投信は対象外です。

つみたて投資枠の対象商品は以下の3つに分類されます。
① 指定インデックスファンド
② 指定インデックスファンド以外の投信
③ ETF(上場投資信託)

そのうちの②指定インデックスファンド以外の投信については、現在「主たる投資の対象を株式とする(ポートフォリオに占める株式の割合が50%超である)」ことが必要です。この要件が見直され、「主たる投資の対象を株式または公社債とする」となるため、債券の割合が50%を超えるバランス型の投信も対象になる、ということです。債券ファンドが対象になるわけではありません(①指定インデックスファンドについては従来から債券の割合が高いバランス型投信も対象になっています)。

つみたて投資枠では債券ファンドは買えませんが、「成長投資枠」では購入できます。例えば、日本債券や先進国債券、新興国債券に投資するインデックスファンドや、物価連動国債に投資する投信、債券型のアクティブ投信などです。金融機関によって取り扱いは異なりますが、債券ETF(国内・海外)も対象です。もし債券に投資する投資信託を買いたい場合には、「成長投資枠」での購入を検討しましょう。なお、成長投資枠でも、個人向け国債や外国債券などは買えません。

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