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執筆者プロフィール
- CFPファイナンシャル・プランナー
- 家計アイデア工房代表
- 2026.04.23
- ライフプラン
仕事と介護の両立に欠かせない特養に入れない場合の介護施設の探し方
筆者は、仕事と介護の両立セミナーの講師として様々な企業で登壇しています。あるメーカーでお話をさせていただいていたときに、こんな質問を受けました。
「自分は工場で働いています。3交代勤務で、年老いた母と2人暮らしです。介護が必要になったとしても、在宅で乗り切れるとは思えません。どうしたらよいでしょうか」
働いている日の介護が困難な場合は介護施設への入所を検討することになります。施設入所となると、費用負担が比較的軽い特別養護老人ホーム(特養)を思い浮かべるかと思いますが、原則要介護3以上でないと申し込むことができません。また、入所希望者が多く、厚生労働省の調査によると、特養の待機者は現在20.6万人とのことです(令和7年4月1日現在)。特養に入りたいけど入れない。そんなケースは少なくありません。
本コラムでは「特養にすぐに入れない」場合の乗り切り方を紹介します。
【1】複数の特養に申し込む
申し込みをした特養ですぐに入所できないと言われたら、他の特養も申し込みましょう。特養の申し込みは複数の施設で可能です。しかも、要介護者の居住している市区町村だけでなく、越境できます。特養には定員30名以上の広域型特養と地域密着型特養がありますが、広域型であれば県をまたいで申し込むことも可能です。
次の申込先を見つけるポイントは、完成予定の特養のあるエリアを狙うこと!
東京都の場合、令和6年度の都内特養退所率は27.9%です。50名入所できる施設でも、1年間に入れるのは13~14名程度です。新設の施設であればゼロから募集をするため、50名定員ならば50名を受け入れることができます。たとえば、東京都にお住まいなら、検索エンジンで「東京 特養 新設」と入力すると、東京都が公開している完成予定の特養一覧を見ることができます。このやり方でお住まいの都道府県で検索して確認できなければ、都道府県庁に電話をして聞いてみるとよいですね。
【2】近隣の公的介護施設に直接相談する
公的介護施設は特養だけではありません。近隣に介護老人保健施設(老健)があれば、そちらの施設に出向き、特養に入れなくて困っていると相談しましょう。
老健とは、介護を必要とする高齢者の自立を支援し、家庭への復帰を目指すためにリハビリなどが受けられる公的介護保険の対象となる施設です。本来なら退院後に自宅での生活ができない人が入所するところですが、在宅介護が困難な高齢者で緊急に対処すべきと判断される場合には入所できることがあります。3~6か月の短期入所が基本ですが、自宅での生活が困難な場合は延長することができます。
特養にも老健にも入れなかった場合は、空きが出るまで民間の介護施設(介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅等)につなぎ入所するか、この後で紹介する「ショートステイ」の利用を検討しましょう。
【3】特養を併設する施設でショートステイを利用する
ショートステイは公的介護保険の居宅介護サービスの1つです。要介護・要支援の高齢者が短期間だけ施設に入所し、食事・入浴・排せつなど日常生活の介護が受けられます。連続して最長30日の入所が可能です。月曜から土曜までショートステイを利用して、日曜は自宅で過ごす、という利用ができます。ご質問者のように3交代勤務でも、ショートステイを利用することで働き方を変えずに、休みの日は親と自宅で過ごすことが可能となります。
ショートステイ選びのポイントは、特養を併設している事業所を利用すること。ショートステイで本人の性格や習慣、身体状況等を施設側が理解しているので、特養での入所となった場合でも環境変化を最小限に抑えることができるので、本人にとっても家族にとっても負荷を軽くすることができるはずです。
【まとめ】
特養に入れなかった場合の対策を3つ紹介しました。いかがでしたでしょうか。
特養の待機者リストの上位となるには、緊急性が高いかどうかがポイントとなります。
一人暮らしで自宅での生活ができない場合や同居の家族による介護が困難なケースなどが該当します。介護が困難な事案には身体的なものだけでなく、同居の家族が働かなければ生活できない家計状況である場合も配慮されます。特養の申し込みをする場合は、本人の要介護状態に関することだけでなく、家計を含めた家族の事情も、ケアマネジャーや地域包括支援センターの相談員に伝えることを忘れないでください。
また、特養入所までのつなぎとして民間の介護施設を利用する場合は、ライフプランにもとづいた資金計画を立てておくことが重要です。介護付き有料老人ホームを探す場合に高齢者施設の紹介所を利用されることが多いかと思いますが、利用料の予算を決めておかないと、身の丈にあわない施設を紹介される恐れがあります。親の介護は親の資産と収入で賄うことが基本です。無理のない資金計画を心がけましょう。