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執筆者プロフィール
- CFP認定者
- 1級FP技能士
- 1級DCプランナー
- 住宅ローンアドバイザー
- 確定拠出年金教育協会 研究員
- アクティブ・ブレイン・セミナー マスター講師
- 2026.04.16
- 貯蓄
お金で損する人には、共通の「クセ」がある?
突然ですが、あなたの周りに、こんな人はいませんか。毎月の電気代やガス代をこまめに見直し、食費もきちんと管理している。ふるさと納税の返礼品もしっかり調べて活用し、ポイ活にも熱心に取り組んでいる。家族のことを思えばこそ、万一に備えた保険にも真剣に向き合っている。傍から見ていると、お金の管理をきちんとしている「しっかりした人」に見えます。
ところが、そのような人が、生涯で数百万円から数千万円という単位のお金を、知らず知らずのうちに「損している」ケースが非常に多いのです。これは決して極端な話ではありません。私の30年近いFPとしての経験から言えば、むしろ「真面目で、心配性で、周りを大切にする人」ほど、お金の落とし穴にはまりやすい傾向があると感じています。
なぜそうなるのか。損をしやすい人には、共通した「思考のクセ」があるからです。今回はその4つのパターンを紹介しましょう。
▼パターン①「安心」を求めすぎる
「もしものことがあったら怖い」「将来が不安」という気持ちから、民間の保険に次々と加入してしまうケースです。医療保険、死亡保険、がん保険、就業不能保険、個人年金保険……それぞれに「必要かもしれない」という理由があり、断るのも気が引けて、いつの間にか保険料だけで毎月3〜5万円、年間で数十万円を払い続けている方は珍しくありません。
しかし、日本には世界でも類を見ないほど手厚い公的保険制度があります。会社員であれば健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険に自動的に加入しており、高額な医療費には「高額療養費制度」、障害には「障害年金」、死亡には「遺族年金」などの備えがすでにあります。
民間の保険はその「公的保険で足りない部分を補う」ものに過ぎません。安心を買おうとして払いすぎた保険料が、老後資金の積立に回せたはずのお金を食いつぶしているとしたら、本末転倒でしょう。
▼パターン②「お得」に弱い
節約やポイ活に熱心なこと自体は悪くありません。問題は、「小さな得」に注力するあまり、「大きな得」を見逃してしまうことです。毎月の電気代を500円節約するために相当な手間をかけながら、NISAやiDeCo、企業型DCのマッチング拠出などの投資を活用した資産形成をまだ始めていない、あるいは始めてはいても掛金が少ない、という方が非常に多くいます。iDeCoや企業型DCのマッチング拠出は掛金が全額所得控除になりますので、月2万円の積立投資で所得税・住民税の節税効果が最低でも年間3.6万円(税率が20%なら4.8万円、30%なら7.2万円)受けられます。
節約で得られる金額と比べれば、その差は歴然です。「小さな得」を積み重ねることに満足して、「大きな得」を逃し続けるのは、最も惜しい損のかたちの一つです。
▼パターン③「みんなやってる」に流される
「周りもそうしているから大丈夫だろう」という感覚で、仕組みを深く理解しないまま金融商品を選んでしまうパターンです。住宅ローンの変動金利型を選んだ理由が「みんな変動にしているから」であったり、学資保険に入ったのが「子どもができたら入るものだと思っていた」であったりするケースが典型です。
変動金利型の住宅ローンは、金利が上昇したときに「未払い利息」が発生するリスクがあります。毎月の返済額が変わらないように見えても、内訳が変化し、元金が思うように減らない状況が生まれることがあるのです。
NISAについても、「なんとなく始めた」だけでは、適切な商品選びや出口戦略まで考えられていないことが多い。「周りがやっているから安心」という根拠のない安心感は、むしろ危険なシグナルだと思ったほうがよいでしょう。
▼パターン④「不安」に駆られる
「老後が不安」「損はしたくない」という気持ちから、金融機関や保険会社の担当者に勧められるがまま商品を買ってしまうパターン、あるいは逆に「よくわからないから」という理由で何もしないまま放置してしまうパターンです。
退職金が振り込まれたタイミングで銀行の窓口に行き、手数料の高い投資信託や外貨建て保険を勧められてそのまま購入してしまった、という話は私のもとにも数多く届きます。
「お金のプロが勧めてくれたから大丈夫」と思いがちですが、銀行や証券会社の担当者はあなたの資産形成の代理人ではなく、商品を販売することで報酬を得るビジネスマンです。勧められた商品の手数料や仕組みを自分で確認できる知識を持っているかどうかが、明暗を分けます。
▼「知らないこと」が最大のリスク
4つのパターンに共通するのは、お金の知識不足と、その人本来の性格・思考のクセが組み合わさることで損が生まれるという構造です。真面目さや慎重さ、家族思いの気持ちは本来とても大切なものです。ただ、その気持ちが「知識」という地盤の上に乗っていないと、結果として損をする方向に動いてしまいます。
次回以降は、20代・30代・40〜50代・60〜70代と、それぞれの年代ならではの「知らずに損している金額」と、その対処法についてまとめる予定です。「知らなかった」を「知っている」に変えるだけで、人生で手元に残るお金は大きく変わります。ぜひ自分ごととしてご覧くださいね。

