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生命保険料控除証明書から見えてくるもの


生命保険料控除とは、所得控除のひとつであり、申告することで所得税や住民税の額が軽減されます。確定申告や会社勤めの場合は年末調整で申告します。毎年10月中旬から11月上旬にかけてお手元に届く予定です。最近ではマイページからWeb発行をしている保険会社や共済もあり便利になりました。生命保険料控除には新制度と旧制度があり、新制度は2012年1月1日以後に締結した契約が対象、旧制度は2011年12月31日以前に締結した契約を対象で、保険契約を締結した年と日によって控除の種類や控除限度額が異なるため注意が必要となります。

■生命保険料控除の種類(新制度)
「一般生命保険料」
定期保険、終身保険(外貨建も含む)、養老保険、収入保障保険、学資保険などです。一般的に死亡保障の分野になります。
控除を受けるためには、保険金受取人が保険料負担者(保険契約者)、配偶者、その他の親族は6親等以内の血族と3親等以内の姻族であること。

「介護医療保険料控除」
医療保険、がん保険、所得補償保険、就業不能保険、介護保険などです。病気や体の障害などで給付金が支払われる保障分野になります。
控除を受けるためには、保険金受取人が保険料負担者(保険契約者)、配偶者、その他の親族は6親等以内の血族と3親等以内の姻族であること。

「個人年金保険料」
次の全ての条件を満たし、個人年金保険料税制適格特約を付加したものが控除の対象となります。
①年金受取人が契約者または配偶者であること
②年金受取人が被保険者と同じ人であること
➂保険料払込期間が10年以上で定期的に支払うこと
➃確定年金や有期年金の場合は、年金受取開始年齢が60歳以上で、かつ、年金受取期間が10年以上であること
1つでも条件を満たさない場合は「個人年金保険料」の生命保険料控除は受けられません。その場合は一般生命保険料控除が受けられる場合があります。例えば変額個人年金保険や一時払いの個人年金保険、配偶者以外の親族が受け取る個人年金保険などです。
旧制度での生命保険料控除の種類は、「一般生命保険料」と「個人年金保険料」のふたつとなります。また生命保険料控除の計算方法も新制度と旧制度は異なり、控除の限度額も異なります。

■生命保険料控除の計算方法は4段階
所得税も住民税も各年間支払保険料等の額により4段階で計算されます。又ひとつの保険商品でも一般保険料と医療介護保険料が混在している場合があります。例えば医療保険に終身保険特約が付加されている場合は、医療保険は医療介護保険料、終身保険は一般保険料として計算されます。

■生命保険料控除の限度額
新制度(各年間支払保険料等80,000円以上)
「一般生命保険料」・・・所得税40,000円、住民税28,000円
「介護保険料」・・・・・・・所得税40,000円、住民税28,000円
「個人年金保険」・・・・・所得税40,000円、住民税28,000円

旧制度(各年間支払保険料等100,000円以上)
「一般生命保険料」・・・所得税50,000円、住民税35,000円
「介護保険料」・・・・・・・なし
「個人年金保険」・・・・・所得税50,000円、住民税35,000円

新制度であれば所得税120,000円・住民税70,000円になり、旧制度では所得税100,000円・住民税70,000円になります。
*支払保険料等とは、配当金や剰余金等を差し引いた額となります。
*新旧制度が混在している場合は、所得税120,000円・住民税70,000円が上限となります。

■生命保険料控除証明書から見えてくるもの
確定申告や年末調整で所得から控除できる金額を知ることができます。所得控除であり税額控除ではありません。生命保険料控除証明書を見ると年間の支払保険料がわかり、家計の固定費に占める割合を把握でき、さらには保険料を見直す行動が保障内容を知るきっかけとなって、ライフプランにあった保障額・保障内容なのかを確認する機会に繋がります。今まで会社への提出物として詳しく見たことがない方も多いと思いますが、加入している全ての保険料の情報が集まるこの時期にじっくり見てみたらいかがでしょうか。

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