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コラムColumn

生活経営に必要な整理整頓(1)


私は仕事柄、ライフプランと家計の決算を通じて、「生活経営」を意識することを推進しています。そのうえで、お金のことを考えなくてはいけない比重が、その人にとってどの位あるのかを一緒に考えています。
当たり前すぎてあまり意識したことがない人が多いのですが、社会に出ると自分のできることで役に立ち(働く)、その対価としてお金をもらい(お金が入る)、そのお金を生活に必要な物・事・人に使っていく(お金を使う)、そのために自分にどんな資産(人・事・物・お金)があるのか包括的に考えて、できることを提案したり、増やしたりしていきます。
このように考えると「事業」と同じく「生活」も経営です。質の良い人生を送るために、「損得」だけではない生活経営力を養っていくことを試行錯誤しながらも楽しんでいただきたいので、私はその一部であるお金について一緒に考えていく専門家として仕事をしています。

そんな中で、生活にまつわることはお金ばかりでなく、むしろお金のことは小さなことだと気付くことが多々あります。生活経営視点での「減らす」「増やす」「広げる」「深める」 の4つの効果を皆さんと、2回にわたり共有したいと思います。

~ 減らす効果と増やす効果 ~
減らすというのは、言うまでもなくスペースを空けるということにつながります。
私達は気をつけていないと、余分で不必要な「人・事・物・情報・時間」が増えていきがちです。
積極的な人付き合いや気が進まない人付き合い、SNS等でつながってしまう友達等、やりたいことや、やらなきゃいけない(と思っている)こと。うっかりすると物に支配されがちな空間、色々と増えてしまう制限やルール、過剰なサービスや機能、頼まれごと…。

消費者という観点でも、仕事として提供する観点でも「あれがあったらいいな」ということはすぐ思いつき、色々と追加してしまうことは多いものです。
だからこそ、「減らす」を意識していないと、所有するものが多くなります。
所有するものが多くなると当然管理する「人・物・事・情報・時間」も増えていきます。

何から手をつけていいのかわからないという方は、「人・物・事・情報」ではなく、自分にとって必要な「お金と時間」について考えるのが近道です。なぜなら「お金と時間」は数字で見え、優先順位を考えやすいからです。それが予算(ライフプラン)と決算です。
ライフプランで「お金と時間の見える化」ができると、「人・物・事・情報」の空間整理ができてくるはずです。
数字で表すのが難しい「人に支配されている空間や思考」「物に支配されている空間や思考」「事に支配されている空間や思考」からではなく、数字で見える「お金や時間」から考えるのです。
現状を把握し、減らすことが必要なのか、数値化できるライフプランから取りかかると、今の状態と将来のなりたい姿から優先順位が明確になります。

具体的な例としては、貯蓄をするために働くと思っていても、働くと家族に使える時間がなくなるかもしれません。収入は増えても、食事を作る時間、子どもに目配りする時間、家族とゆっくり話し合う時間が減っていくとともに、本来は使わない無駄な食費や医療費等の余計な支出が増えているかもしれません。収入が増えても貯蓄ができていない、またはもっと違う働き方もありなのかと思うかもしれません。
もし、お金ではなく「時間を増やしたい」と思えば、何となく続けている人間関係、つい引き受けてしまう仕事や約束について、全部は無理でも徐々に減らしていきたいと意識します。
徐々に余白の時間ができ、それを更に活用し、「時間を増やしたいけど使えるお金は減らしたくない」と考えたとしたら、お金を効率よく稼ぎたいと考えるようになったり、趣味や夢中になれることでできることを増やし、人にお願いしないといけない事を減らしたり、誰かの役に立ってお金をもらえるような働きかたができるようになるかもしれません。

また貯蓄を増やすために「お金を効率よく稼ぐ」=「株式または投資信託の証券投資」と思いがちです。もちろんそれも一つの手段ではありますが、将来の年金を増やす(自分の働きかたを考える)、将来貸せるまたは売却できるような住まいを買う(住宅購入を消費ではなく資産として捉える)、いつまでも働ける身体づくり(運動・食事・睡眠の健康管理)、自分が成長できる人脈づくり(交友関係)、必要な知識や経験(成功も失敗も)も、生涯で考えれば「投資」に繋がるのです。

自分に持ち合わせた資産(身体・不動産・証券・スキル・人脈・知識・経験)を構築するためにどこへ時間を使っていきたいかを予めイメージしておくと、必要のないものはそぎ落とされていくのではないでしょうか。

今回は4つの効果のうち「減らすと増やす」を取り上げました。次回のコラムでは残りの2つの効果「広げると深める」についてお伝えします。

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